マレーシアのペナン島旅行では虫よけの腕輪をしていたが何度か蚊に刺されている。
帰国して9日目で発熱し39.5度にまで達した。
これまでインフルエンザにかかったことはなく風邪をひいても37度以上の熱を出した経験すらないので何が起きたのか理解できなかった。
帰国からしばらく下痢があったもののその後全快してしばらく調子はよかった。
しかし帰国8日目で全身疲労になり体を動かすのもきつくなりその翌日に寒気から発熱した。
喉、鼻、頭痛といった風邪の症状は出ない。
3日間の発熱の間は背中・腰痛が続き、熱の下がりかけに蕁麻疹のような斑点が両腕の裏側と両足の表側に発生した。
熱が下がり始めて相当痒かったがそれまでは熱のためか痒さどころでもなかった。
熱も冷めて治ったかと思ったら全身疲労、太もも全体に筋肉痛とむくみ、湿疹のない全身の痒みでベッドから数日出ることもままならなかった。
熱の出始めと熱が引いた後近所の病院では風邪だと判断した。
発熱時にインフルエンザ検査は陰性だったが検査が早いので反応が出ない可能性もあるといわれた。
蕁麻疹のようなものは体力が落ちた証だと。
発熱中は自分もそれを信じていたが熱が下がり体力が少し戻り思考も復活してこれはおかしいと感じていた。
スマホが触れるようになりふとマレーシアの感染症を調べてみるとデング熱が有名らしい。
国内でも数年前に代々木公園を封鎖して薬を散布して話題になった蚊が媒介する病気だ。
その症状が今回の症状と酷似している。
当初インフルエンザだと思い込んでおり、途中で何も症状がないので内臓疾患かと心配していたのだが、いつも痛む右わき腹以外特にそれらしい症状も出ないので気になっており解熱してからホームドクターが喉が赤いから風邪と断定した。
しかし調べるほどデング熱かチクングニア熱に近い。
そのうちに筋肉痛に加えて関節痛にもなった。
左腕が上がらない、左手首が痛くて動かせない。
発熱からずっと筋肉痛が続いているし体がだるい。
一旦平熱に戻ったが気がついたらまた微熱になっていた。
経験のない五十肩と腱鞘炎が同時に襲ってきたのだと思い込みたかったがそれが右肩や肘にも同時に激痛が出てさすがに鼻白んだ。
こんなの風邪ではない。
別の関節に痛みが移って動けなくなる前に感染症に強くデング熱を扱っている病院に行くことに決めた。
その病院は医師からの紹介のみの初診受付になっており紹介状が無いといったら有無を言わさず追い返されそうになった。
そこで海外でデング熱に感染したかもしれないということを伝えると医師に連絡を取って特別に受け付けてくれた。
数年前に代々木公園封鎖で有名な病気になっていて助かった。
個人的には症状からデング熱よりチクングニア熱の可能性が高い気がしているがこの際デング熱と言った方が受付の人の関心は高くなるという打算をしていた。
デング熱はその後デング出血熱に変わり命を脅かす可能性がある。
発病から4~5日後が危ないらしい。
チクングニア熱であれば致死率はゼロに近い。
デング熱もデング出血熱にならない限りインフルエンザより致死率は低いので変化しないことが重要らしい。
チクングニア熱だと長期にわたり関節痛に悩まされる可能性があるのでどちらになるのも嫌だ。
発熱から既に6日経過しているのでおそらくデング出血熱には変化しないと少し安心感を持っていたがいつまでも原因不明で複数の症状が出たり消えたりするのは怖い。
30分ほど待ち、電光掲示板に担当医の名前は出ていなかったので通常の外来の医師以外が診てくれたようだ。
その後も他の外来は診ていなかった。
思っていたより若い医師だった。
事細かにマレーシアでの行動や帰国後の症状について質問を受けた。
聞き取りと問診で約40分かかった。
近所の病院だと問診は数分が限界なのでこれが大病院のなせる業だろう。
関節痛は関節周りを触診して筋肉痛から来ている可能性が高いとの診断だった。
喉をみて風邪は考えにくいということだった。
マレーシアで細菌やウィルスが体内に入り熱やその他の症状が出た可能性はあるということで血液検査と尿検査、肺炎の可能性も否定できないのでX線検査を受けることなった。
結果によっては即入院ともいわれた。
細菌に関しては血培して顕微鏡検査をし、X線を含めて1時間ほどで結果が分かる。
デング熱は院外に出して専門機関の検査になり1週間かかる。
なおこの検査は保険適用外で7500円かかり、紹介状がないので初診料と合わせて1.5万円もかかったが仕方がない。
チクングニア熱に関しては命に別条がない病気なので検査はしないということだった。
(おそらく依頼して同じ位の費用を別途払えば検査してくれたかもしれない)
あとなぜかマラリアの検査も同時に行うことになった。
50ccも血液を取られてX線検査をして1時間ほど待って血液中に悪い細菌はいないとわかった。
肺炎も否定された。
マラリアもいない。
血小板の低下もないので出血熱にもなっていない。
とりあえず関節の痛み止めにカロナールを処方されることになったがストックがかなりあるので断ってそれを使うことにした。
痛み止めによく効くロキソニンを使っていいか確認したところロキソニンは使わずカロナールを使うように指示された。
デング出血熱になると血小板が減少して内出血を起こすのに対してロキソニンも血小板を減少させる傾向があるためだ。
救命救急も設置されている病院なので熱や内出血など異変が出たらタクシーで来れるならタクシーで、無理なら救急車で病院に来るように指示を受けて再診日程を決めて帰宅した。
この病院の救命は以前急病で他の病院をいくつかたらい回しにされた末に辿り着いた自分の中の最後の砦なので救命のキャパは大丈夫だと思っている。
だから診察券を持っていて今回この病院にした。
1週間ほどで結果が出るがそれまでに完治していればいいのだがデング熱の抗体保有者になっていたら今後東南アジア(タイ)の旅行も移住もスッパリ諦めるつもり。
インド旅行ブログでデング出血熱の手記を見たがシャレにならない病気のようだし、この病気には4種類のウィルスがあり2つ目にかかった時が出血熱に発展しやすいという噂があるので東南アジアで次刺されるわけにはいかない。
チクングニア熱だとこれから当分関節痛に悩まされるかもしれないのでこちらも気軽に旅行や半移住といってられないが症状さえ消えれば大丈夫だと考えている。
1月にはタイにロングスティしたかったがデング熱の検査結果と容態次第なので年内に治っても早くて2月になりそうだ。
対処療法としてもカロナールを飲むくらいしかないが関節痛、筋肉痛、微熱が早く治って欲しい。