ファーウェイのHonor 7Xのブラックの32Gモデルを海外サイトのGeekbuyingより約2.5万円で購入した。
おそらく国内の正式販売はないだろうが価格の割にいいスマホだと思う。
これまで使用してきたファーウェイ Mate7やXiaomi Reami Note4と比較しながらレビューしてみたい。
■目次■
1.開封
オーダーから発送までに6日間、発送から到着が4日間、計10日で届いていた。
昨年同じ時期にXiaomiのスマホをオーダーした時にも同じくDHLで3週間近くかかったのでかなり早い。
ビニールを開封すると水色の箱が出てきた。
中国語で栄光といったような言葉がHonorの当て字になっている。
封印型のシールだがなぜかカットしてその上からシールを貼ってある形跡がある。
検品をしたのかもしれないが小売業者が開封するなど日本ではありえない。
開けるとやはり一旦開封したような状態だ。
箱には技適マークは見当たらない。
本体に目を移すとHuaweiのスマホにもかかわらずロゴはブランド名のHonorになっている。
裏面も同様にHonorのロゴが入っているだけ。
通常PシリーズやMATEシリーズにはHuaweiのロゴが表面に、ロゴと中電によく似たマークが背面に刻まれている。
このブランドはPやMATEとは違う扱いを受けていることがロゴからも分かる。
箱から付属品を取り出してみるとUSB電源アダプター、USBケーブル、ビニールで出来たようなケースと本体だった。
説明書にも技適マークはなかった。
残念。
起動するか電源を入れた所こちらもHuaweiではなくHonorのロゴが表示された。
2.仕様、外観、使用感
仕様
OS:Android 7.0 Nougat
ディスプレイ:5.93インチ液晶 アスペクト比18:9 2160 x 1080
プロセッサ:Kirin 659
RAM:4GB
ストレージ:32G/64GB + マイクロSD
メインカメラ:16MP + 2MP デュアルカメラ
フロントカメラ:8MP
バッテリー:3,240mAh
サイズ:156.5 x 75.3 x 7.6 mm , 165g
外観はMate10 liteに瓜二つだがこちらも国内で販売されていないので国内流通しているモデルでいえば発売されたばかりのMate10 Proだ。
但し質感は9万円するスマホと比較するのはかわいそうだ。
それにProは有機ELでこちらは普通の液晶だが解像度は同じだ。
外装はアルミニウムに光沢のない塗装を施してあり高級感も安物な感じもなく実用的というのがしっくりくる。
手脂はつきやすい。
左に同じメーカーのMATE7(6インチ)、右にXiaomi Redmi Note4(5.5インチ)を並べてみた。
それにしても誰も知らないなマイナーなスマホが並んでいるw
横幅はXiaomiとほぼ同じで長さがペン幅半分くらい長いといった違いだろう。
リアカメラが横に2つ設置されているのが目立つ。
横幅は一般的な5.5インチと変わらないので持ちやすい。
重さは165gでRedmi Note4より10g軽いだけだがかなり軽く感じる。
ペン幅半分くらいの長さの違いとはいえ面積では大きく感じるので面積と実際の重さのギャップから軽く感じるのだと思われる。
指紋認証が背面の少し高い位置にあるので当初は人差し指がリングを無意識に探すこともあったが慣れれば問題ない。
下部にイヤホンジャック、マイクロUSBと片側にモノラルスピーカーが設置されている。
未だにUSB TYPE-Cでは無いのは上位機種と性能差をつける部品が他にSoC、カメラしかないためだろう。
モノラルスピーカーなのでデュアルスピーカーのRedmi Note4と比べても音は悪かった。
3. ベンチマークと操作感
Antutuを実行した結果62924だった。
今時はエントリーモデルの数値だがブラウザを見たり証券会社のアプリや乗り換え案内、Youtube、メールを使う程度ならもたつきはないしスクロールのヌルヌル感にもカクツキは無かった。
Antutuが9万近いRedmi Note4よりも普段の使用であればサクサク動作する。
この差はRedmi Note4がAndorid6でHonor 7XがAndroid7のOSのバージョンの違いかもしれない。
ただ3Dの能力は圧倒的に低いのでゲームには向いていない。
少し前にdtab d-01Jを購入してAntutuの3Dを眺めていたので比較しやすいがスムーズさがまるで違いHonorは常にカクカクしていた。
ちなみにAntutuの結果に表示されているBND-L21という型番はヨーロッパ向けモデルだ。
L22がインド、L24がUSA、AL10/TL10が中国向けとして存在する。
設定の端末情報でもBND-L21と表示されているが箱や裏面はBND-AL10の刻印があることと、ヨーロッパモデルにRAM 32GBは存在しないので中国モデルが正解のようだ。
4.液晶
現在の液晶は中華スマホでも発色は十分綺麗。
この機種も特に不満はない。
縦長のFHD相当(2160×1080)なので初めてretinaを見た時のような感動もないが直射日光でも高い輝度で視界性も十分だ。
いまどきAPPLE、ファーウェイ、サムソン、Asusあたりのスマホでそんな心配は不要だ。
しかし以前Arrows F-05Fを使っていて直射日光で輝度不足で画面がほぼ見えなかったので旅行でグーグルマップを多用する自分としては直射日光下の視界性は重要なポイントになる。
縦長にアドバンテージがありそうなAndroid7でサポートされた2画面表示でブラウザを見ながらメモを書けたりするのが便利かといわれると微妙だ。
二画面の使い方はAndroidの△◯□の□を長押しすると上記の□を縦に並べた記号が表示されるのでそれを押して下に表示するアプリを選択するだけ。
5.バッテリー
容量は3240mAと一般的なサイズのスマホが3000mAが多い中若干大きめだ。
ただ最近使用していた2台はMate7、Redmi Note4共に4000mAを超えるバッテリーを持つスマホを使ってきたので3240mAというのは心もとない。
それにRedmi Note4はバッテリー消費を下げる変なチューニングをしすぎて電話とLine以外の通知が気まぐれになっている代わりに放置で5日間もつので公平な評価が難しい。
それでも海外のサイトを覗くと同社Nove2のバッテリーのもちは優秀だといわれているのでNove2やMate10 liteとおそらくほとんど同じ部品を使っているHonor 7Xのバッテリーも優秀なはず。
実際に普通に使って2日間はもつ。
バッテリー設定の画面ロック時に閉じるアプリの対象外に防災速報、ウィルス対策ソフト、LINE、でんわを設定しておりメール、ライン、カレンダー通知などはリアルタイムに通知されるので変なチューニングをして通知が遅れるRedmi Note4よりはバランスがいい。
旅行でどうなるのかは分からないが使用していてバッテリーがバンバン減っていく感じもないので3000mAの一般的なスマホを使ってきた人であればバッテリーの満足感は高いはず。
気になっているのが同じファーウェイ製Mate7のバッテリーのへたり。
購入して6カ月で極端にもちが悪くなり、メーカーにバッテリを交換してもらったがやはり6カ月あたりを境にバッテリーのもちが急激に悪くなった。
同じメーカー製のHonorが同じバッテリー積んでいて同じ特性を見せないか心配である。
Redmi Note4のバッテリはへたる気配がないしiPhoneも最低1年以上はバッテリーのもちは変わらなかったのでどうしても比較してしまう。
6.カメラ
今回カメラ性能向上のためにスマホを買い替えたといっても過言ではない。
まずは暗所性能をRedmi Note4と比較してみた。
LEDを反射させて暗所を作ってテレビのリモコンを自動で撮ってみた。
まずはRedmi Note4。
何とかリモコンが写っている。
そしてHonor7X
えっ、真っ暗。
自動で撮ると真っ暗なのでHDRをオンにしたりプロモードで色々いじってもこれ以上明るくはならなかった。
これは明らかにカメラのレンズかセンサー性能の差だ。
暗所はRedmi Note4に完敗。
Redmi Note4のレンズの明るさを調べてみるとなんとF2.0でHonor7XのF2.2よりも明るかった。
ショックというよりXiaomi恐るべしだ。
このスマホを1年以上前に2.2万円で販売していたのだから。
ポートレートモードのボケで撮ってみる。
ボケは撮れるには撮れるのだが被写体と背景の距離を何度も調整しないと被写体と背景の両方にピントが合ってしまい中々ボケが発生しない。
何かコツでもあるのだろうか。
フロントのシングルカメラでも同じくらいのボケは撮れるのでデュアルカメラの良さを感じることはできなかった。
Redmi Note4でも同じように撮ってみた。
大差がない気がしてきた。
同メーカーの上位のデュアルカメラと差をつけたためそこらのシングルカメラより性能が低いチューニングでもしてしまったのだろうか。。
Redmi Note4を現役に戻しヤフオクかメルカリでHonor7Xを売り払ってしまおうかとすら思わせてくれる。
ポートレートは残念な感じだが後からボケの場所を変更できるワイドアパーチャー機能についてはしっかり機能した。
明るいところで撮影するとポートレートモードも機能した2018.3.29追記
7.GPS
今や海外旅行にグーグルマップは命綱のようなものなので個人的には最も重要な機能だ。
アプリGPS TESTにてGPSのつかみ具合を調査した。
確認したのは部屋の中とベランダの2か所。
In View(捕捉した人工衛星)とIn Use(位置情報のため有効な人工衛星)の最大数を並べてみた。
Mate7は当時ハイエンド機でありGPSもそれなりの性能があったがHonor7Xの方が上だ。
捕捉する人工衛星の数は常にRedmi Note4の方が優っているが有効数はHonor7Xの方が上になる。
Redmi Note4とHonor7Xに共通する特徴としてBeidouをGPS衛星と同じくらい捕捉する。
みちびき(QZSS)は調査で掴むことはなかった。
GPSを比較しているサイトと比べてみるとファーウェイのスマホでGPS機能が優秀なMate9やMate10とも少し精度の低いHonor8に積んでいるGPSレシーバーとも違い、廉価版のP10liteとも違う特性を持つGPSレシーバーを積んでいると考えられる。
8. 緊急速報
気になっていたのは緊急速報通知だ。
比較的新しいファーウェイの機種であればETWSに対応している。
ただHonor7Xは国内販売がなさそうなので機能を省いている可能性もあったがETWSとCMASの両方に対応していた。
正しく鳴るかはまだ確認できていないので分からない。
9.まとめ
Xiaomi Redmi Note4のコスパを引き立たせてた結果になってしまった。
イオンモバイルのSIMだとVoLTEの表示もしていたしROMはHonor7Xの倍の64GB積んでいる。
カメラはF2.0で明るく、Amtutuが9万近くて、バッテリーを4000mA積んでいるのにも関わらず軽く、指紋認証はファーウェイに若干劣るものの実用で問題ない。
これを2016年9月頃に2.2万円で販売していた。
コスパを戦車で喩えればM4中戦車のシャーマン、モビルスーツでいえばジムといったところだろう。
恐るべきかなシャオミ。
それでもHonor7XはEMUIという独自のユーザーインターフェースは使いやすいし、日本語を正式対応しているし、Android7のおかげかサクサク動作し、ETWSが搭載されていて、GPSの性能もそこそこあり、これからスマホのトレンドになる縦長6インチで物理的にも軽いので6カ月間は使おうと考えている。
短期間でMate7のようなバッテリーのへたりが出てきたらXiaomiに戻す。
最後に価格と性能で考えれば同じファーウェイのP10 liteといい勝負になる。
劣っているのはWi-Fiの802.11a(5GHz)が無い、日本国内の対応BANDが少ない、国内販売していないので日本でメーカーサポートを受けられないところの3点だ。
優っているのは腐ってもデュアルカメラで1600MPなのでP10 liteの1200MPよりは性能が上で液晶サイズが5.2インチに対して5.93インチある。
そしてレビュー後に国内販売が発表されたのがNova lite2だ。
価格は約2万5000円(2018/2/11現在)なのでHonor7xとほぼ同じ。
スペックはWiFiの5GHz未対応も含めてHonor7Xと極めてよく似ているがカメラのスペックが少しダウングレードしており液晶サイズが5.65インチと少し小さめになっている。
同じようなスマホが欲しい人は国内サポートのあるNova lite2を買うのが正解だろう。
Honor7xとの違い
Android 7.0 → 8.0
ディスプレイ 5.93インチ → 5.65インチ
RAM 4GB → 3GB
リアカメラ 16MP+2MP → 13MP+2MP
バッテリ 3240mAh → 3000mAh
重量 165g → 143g
若干スペックダウンしているようだがOS以外違いは分からないと思う。
22gも軽いので実際に持ってみるとかなり軽く感じるはずだ。