リコーの従業員削減が日本経済新聞によって報道された。
リコーは2018年度にも、日本と欧州を中心に従業員を4000人規模で削減する。グループ全体の4%に当たる人員を減らす。中国の主力工場を売却する方針も固めた。
抜粋日本経済新聞
勤めていた会社でもリコーの印刷装置や複写機を当たり前のように使用していた。
ペーパーレス化が進み事業所の設置台数も減っていき更改時に小型機になっていたのでリース料も下がり収入は減少しているのだろう。
オフィス用印刷複写機は今後伸びる領域でないので事業再編をするのは致し方ない。
業績でも売上と利益共に減少している。
(但し直近はインド子会社の支援打ち切りの損失が含まれている)
それでも2兆円売り上げがあるのはすごい。
19年の利益予想は14、15年の約半分にまで下がっている。
だから早めに手を打つのはいい。
4000人を削減できれば翌年から毎年約400億(*)ほど人件費が軽くなる。
人員削減による利益への影響が少なければ15年や16年相当の利益に匹敵する回復が見込まれる。
(*)四季報抜粋 【従業員】<17.9>連101,456名 単‥名 (43.5歳)[年]807万円 より厚生年金、福利厚生など込々で社員1名の年間コスト1000万円と想定
更に18~19年に大型M&Aも画策している。
攻めの戦略は大切だ。
どこにお金があるかと思えば6529億円の内部留保があるのでこれと中国工場売却費用を充てるのだろう。
株価も14~15年頃の業績回復もあるのではとニュースを受けて上昇している。
地合は当時よりもいいので1200円以上に回復する可能性もある。
経営陣はこのあたりでリストラの人数を決めたのだろう。
そして国内はリコーロジスティクスが中心で3千人の規模だ。
この会社は連結で3242名なので経営陣だけ帰任してほぼ全員削減という計算になってしまう。
そういえばリストラの退職一時金の原資はどうするんだろう?
もし4千人の削減で24カ月の退職一時金を支払うと約640億が必要になる。
この費用はどこから?
どのニュースもその手の情報は見当たらない。
大型M&Aで2000億円使っても内部留保はまだ4000億円以上残っている。
ただ同社は9128億円の有利子負債も抱えているので余裕はない。
そして日経新聞がリコーロジステックスの売却が決まっているような報道をしたものの報道は事実ではないと否定をしている。
もし買い手があるなら社員まるごと売却するのがリコーとしてはお得だ。
退職一時金を捻出する必要がないから。
その後日経新聞は別の記事も出している。
更に半導体子会社の売却も考えているとの報道。
両社売却先が見つかればいいが見つからないと売れ残ったグループ会社を売れたグループ会社の売却益を原資にリストラで整理というおかしな状況も出てくる。
別会社でも残るのがいいのか退職一時金を貰って辞めて再就職するのがいいのかは人による。
再就職して働く自信がある人はさっさと行先見つけて一時金を貰って辞めた方がいい。
人手不足は続いているので再就職も有利なはず。
来年になり消費税増税や株価下落で冷え込んでくると就職先が無くなるかもしれないので今が最後のチャンスになりそうだ。
つぶしが効かない人や50代後半で再就職が厳しい人でしがみつけるなら絶対しがみついていた方がいい。
あとグループ会社売却の前兆は人事異動の凍結で判断できるかもしれない。
例えば出向組で戻る予定の上司が人事を動かして手元に置きたい部下をグループに残したいと本社や他の子会社などに勝手に異動されては会社も困る。
ターゲットの子会社の社員を優秀だからと本社やグループ会社にバンバン引き抜いて出涸らしにしたら引き取ってくれないだろう。
リコーから正式な発表は無いので水面下で動いているのだろうが同社は日本の伝統ある企業なので早めに再編を完了して回復を期待したい。
そういえばリコーに1つ下の知り合いがいたのだが彼はまだ頑張っているのかなぁ。