北海道胆振地震で必要だったものの中にLEDライトがあった。
この地震で大規模停止が発生して長時間に渡り電気の供給がストップした。
夜真っ暗になるためライトが必要になった。
真冬だったら暖房器具の点火に電気がないと使えず更に悲惨な災害になっていた事も予想される。
これは本州でも発生し得る。
本州の真冬の地震だと最悪瓦礫の中から布団や防寒具を探して公民館みたいな雨風を防げる場所で包まっていれば凍死はないだろうが今年のような真夏に発生したら対処できないかもしれない。
昼間は40度近く夜中でも30度以上ある熱帯夜でエアコンも扇風機も回せない環境だと熱中症になる人が続出しかねない。
実際今夏にエアコンがなければ確実に熱中症になっていた。
せめて小型扇風機と水があれば首筋、脇、臀部など大動脈が通っている場所に水をかけてその上から扇風機の風を送れば気化熱で体温を下げる緊急対応が取れる。
そのためには電気が必要だ。
テレビが使えないのはそれほど困らないがスマホやタブレットなどのインターネット機器が使えないと災害情報収集が困難になる。
スマホや携帯、ワンセグ、ラジオのバッテリーが切れたら外部との繋がりも切れてしまう。
防災袋に食料とセーターやカッパなど防寒具を準備している人は多いだろう。
しかし電気が長時間停止して復旧しない状態も考慮する必要がある。
自宅に太陽光発電システムを導入している方は地震で故障しなければ短期間なら凌げる。
マンション住まいや賃貸アパートだとそうもいかない。
だからせめて1週間程度灯せるLEDライトやスマホの充電やUSB扇風機などを長時間回せる電源も確保しておきたい。
そこで8種の災害時の電源供給方法を考えてみた。
手回し発電機
災害用として多くの人が思い浮かべ防災袋に入れてあるだろう手回し充電器だ。
一般的にラジオ、LED、携帯の充電コネクタに小さなバッテリーを内蔵して手回しハンドルで充電ができるようになっている。
但し地震でこれが活躍した話をなぜか聞かない。
実際に震災にあった人曰く、手回し充電器を買うくらいなら電池駆動のLEDライトを買っておけという意見だった。
おそらく災害で大変な時に悠長にぐるぐる回している余裕なんてないのかもしれない。
だから乾電池と懐中電灯を用意した上に手回し式も準備しておくのがよさそう。
乾電池
単三アルカリ電池 1.5V x 1500~2000mAh
乾電池だけ災害用にストックしても仕方がなくそれで可動する懐中電灯、スマホ充電器、携帯扇風機、電池式カイロ、ラジオ、ワンセグなどを併せて準備する必要がある。
電池には単1単3などのサイズも異なるので合った機器や電池を準備する。
電池には寿命があるので定期的に交換が必要だ。
交換を軽減するために防災用に20年保管しておいても使える水電池もある。
但し水電池は電力が弱く容量も少ないので普通の乾電池、充電池などと適材適所で考える必要がある。
モバイルバッテリー
5V x 1000~24000mAh
1~2日程度のスマホの充電程度であれば手持ちの6000mA程度のモバイルバッテリーで充分だ。
しかし小型扇風機を回したりLED照明などに利用するとあっという間になくなるだろう。
そこで容量最大級の24000mAのモバイルバッテリーを考えたいところだが中身に中華製の充電池が大量に並んでいると考えると少し怖い。
発火しても燃え移らない場所に保管する、期限を決めて定期的に廃棄して交換するなどの管理は大切かもしれない。
携帯型ソーラパネル
自宅の屋根に載せるソーラーシステムと異なり持ち運べる。
モバイルバッテリーに貼り付いている簡易なものから両手で運ばないといけない本格的なものまで揃っている。
まともに電源供給を行うとなると1mサイズのパネルを物置やベランダに置いておくのもありかもしれない。
ポータブル電源
100~200Ah
キャンプなどで利用されている方もいるだろうポータブル電源だ。
AC電源やUSBコネクタがありパソコンや卓上扇風機程度なら長時間稼働させることが出来る。
上記ソーラーパネルと組み合わせて日中は太陽光で充電して夜利用するという簡易ソーラーシステムにすることもできる。
このあたりを準備すれば少しは安心できるかもしれない。
但し電源とパネルでそこそこの金額になってしまうのでキャンプなどに利用する人が災害対策兼用にするのがいいのではないだろうか。
自動車のバッテリー
12V/24V 20~100Ah
自動車をお持ちの方ならもれなく保有している自動車のバッテリーだ。
車にUSBポートさえ装備されていればスマホの充電なら可能だ。
あまり使いすぎるとバッテリー上りが起きるかもしれないが災害時には背に腹は代えられないだろう。
アシスト自転車のバッテリー
電動アシスト自転車にも25V x 8~12Ahというそこそこなバッテリーを積んでいる。
災害用に足漕ぎで充電できるものもあるがそんな特殊な自転車を買うのも躊躇われる。
そこで自転車のバッテリーからUSB電源を取り出すアダプタを購入すればアシスト自転車のバッテリーを災害時に利用できる。
最近はモバイルバッテリーの大容量化が進んでいるのでこのアダプタを購入して備えるより大容量モバイルバッテリーを購入した方が断然安い。
それでも国内アシスト自転車のバッテリーは有名メーカーが製造しておりバッテリーが燃えたというニュースを聞いたことがない(*)ので中華製のモバイルバッテリーよりは保管しておいても安心できる。
(*)発火の可能性があるとリコールされた事はある。逆にリコールされるようにメーカーも注意しているので売りっぱなしのどこで作ったかわからないバッテリーよりは安全だろう。
但し災害対策としてアシスト自転車を買う必要はない。
あくまで持っている人がバッテリーを流用出来ないかという発想だ。
燃料式家庭用発電機
100Vを燃料が無くなるまで供給できる究極の方法だが燃料(ガソリンや軽油)を専用の容器で消防法を遵守して保管しなければいけない。
防音モデルでも稼働させれば原付がうなっているようで近所迷惑になるかもしれない。
それでも1台あれば大容量の電源になる事には間違いない。
まとめ
他にも災害時に電源供給する方法があるかもしれないし例えば夏一時的に身体を冷やすだけなら瞬間冷却剤、冬最低限に温めるなら使い捨てカイロもある。
どれか一つだけ準備して安心するのではなく普段大きめのモバイルバッテリーを持っていて家族でキャンプによく行くのでポータブル電源とソーラパネルを保管しておくとか災害袋に乾電池、水電池、電池による充電器や携帯扇風機、LEDライト、電池式カイロ、使い捨てカイロを突っ込んでおいて足りないときは車のバッテリーや自転車のバッテリーを利用するとか複数の手段を準備しておくのがよさそうだ。
あと置き場所も自宅だけだと地震で倒壊したり水没しては取りに戻れないので一軒家なら倉庫、庭先、ガレージ、マンションなら階が異なる人同士の部屋に分散して保管しておく手段もある。
なおバッテリーは熱が苦手なので夏の車の中など高温になる場所には保管しない方がいい。