この度生まれて初めての手術のために入院をすることになったが申し込みの際に2名の連帯保証人が必要だった。
保証人を頼んだのなんて大昔のアパート入居と婚姻関連と家の借金くらいだ。
若い頃はそこそこの借金をしていたが小さな積み重ねだったので不要だったし長い間保証人が必要だったことがなくそんな制度失念していた。
保証人の1名は兄弟でいいがもう1名が悩みどころ。
親族ではなく友人(赤の他人)にしてくれと受付担当の事務員から口頭で指定された。
下手に知り合いに頼むのも嫌だ。
ギブアンドテイクだと借金の連帯保証人を依頼されたら断れない。
さすがに夜逃げしそうな人はいないのだがそれでも金にまつわる連帯保証人は何があるか分からないので関わりたくない。
まともな金融業者が無職の保証人などOkするわけが無いので頼まれる可能性も低いが審査が通過したら通過したで怖い。
病院に相談したところ連帯保証人1名で受付られるようだが今後何かと保証人が必要なケースがありそうだ。
(病院が保証人を強制するのは法律上問題らしいので強いることは出来ない。だから相談すれば最悪なんとかなるはず。ただ身寄りがない人が院内で亡くなったら費用面でも遺体の処理にも困るのは病院側なので保証人を立てて欲しい主張も分からないでもない。)
移住にしたって保証人がいなければアパートすら借りられない。
オーナーの立場で言えば孤独死しそうな店子は絶対入居させたくないだろうから保証人と借り主の年齢は厳しくなる。
アパートを経営していた頃の管理会社は店子の保証人にそれなりの企業に勤めている人を要請していたようだし借り主は女子大生か二十代前半の女性を入居させてくれていた。
管理会社に注文を付けていたわけではないのだがオーナーの立場だと部屋の痛み具合を考慮すれば女性がいいし両親がいる若い人の方が好ましい。
だから歳を重ね不動産屋で門前払いになるとマンションを買い換えるか保証人会社でなんとか賃貸物件を借りるしかない。
タイなんか保証人や礼金なんて無くてもパスポートとデポジットで誰でも簡単に借りられるのに日本は面倒な国だ。
想像だがタイでは命が軽くて店子が亡くなっていたらさっさと片付けて次の契約者を入れられるような社会風土があるのかも知れない。
日本には居住権なるオーナーに不利な制度も保証人を立てる要因になっているのだろう。
そして入院、入居、借金の他にも保証人が必要なケースが日本にはある。
再就職やパート、アルバイトや学校入学、介護施設の身元保証人だ。
厄介なのが介護施設、老人ホームだ。
これらの保証人は金で解決が難しい。
もし亡くなったら誰かが遺体や遺留品を片付けないといけないのだが日本の場合は他人が対応するのが難しい。
だからNPO、葬儀屋、司法書士が後見人となり一定の委託金で請け負っている。
葬儀屋が保証人業者というのは一見不思議だがもしもの時に葬儀や死後の事務処理が専門なので納得だ。
団塊世代(ベビーブーム)あたりがいなくなると葬儀数も減っていくので葬儀屋の事業も必然的に葬式から保証人事業に移って行く。
しかし大金を支払っていたのにそのNPOが解散したり非常に高額な割にあまり責任は負わない業者だったりと不安な業界だ。
紹介斡旋業者もあるがとんでもない人にマッチングされて連帯保証人なってしまったら目も当てられない。
今の70代、80代に比べて50代、40代と横のつながりが弱くなっておりいつか社会問題になるので行政が考えるべき問題だろう。
そうはいっても今すぐ解決できる課題でないので独立した収入のある配偶者がいなければ退職する前に保証人をなんとかしておくべきだ。
自分のように昔の友人と疎遠になっていると保証人のような重い依頼ができる人が少ない。
それにこんなヒッキー生活をしていたら退職後に新しい知り合いや友人など出来ない。
コミュニティやサークルなどで出会って同じような早期退職でふらついている友人など作っても金絡みのトラブルに巻き込まれそうなので気が進まない。
最悪は勤めていた会社を退職した元上司あたりに依頼すれば企業年金と厚生年金で働き盛りの会社員より年収がいいのでアパートの保証人はなんとかなりそう。
それでも介護施設の保証人は親族か遺体を引き取り葬儀を最期まで面倒見てくれる業者に依頼しないとなんともならない。
もし天涯孤独で会社を辞めるなら保証人になってくれる人を見つけてからでも遅くない。