大腸ESDの手術の退院後に知ったがESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は新しい手術なので最近まで健康保険対象外だった。
2006/4 早期胃がんESDが保険適応
2008/4 早期食道ESDが保険適応
2009/6 大腸ESDが先進医療として認定
2012/4 大腸ESDが保険適応(*)
(*)最大径が2cmから5cmの早期癌又は腺腫
年表の通り胃がんや食道がんのESDに比べても大腸ESDは最近認定されている。
理由として腸膜が薄いため胃や食道に比べて難易度が高く難しい手術で適応できる病院が少なかったためだ。
従って2012/4以前に大腸ESDを受けると先進医療費約15万円+入院費を支払わなければいけなかったし2009/6以前であれば手術代の実費約60万円+入院費を支払う必要があり患者への経済的負担が大きかった。
自分の場合ポリープのサイズが4cmもあったので下手をすれば7~8年前にも線種があったかもしれない。
その頃にもしESD手術を受けるのであれば医療費を実費で支払わなければならなかった。
そしてもう一つ保険適合条件として厄介なのが「最大径が2cmから5cmの早期癌又は腺腫」の条件だ。
癌であれば確実に保険適用対象だが良性腫瘍は医師によってESD対象なのか判断が分かれているようだ。
条件文を一見すると早期がんと腺腫が並んでいるので腺腫=良性腺腫=ポリープと判断できそうだがESDの良性腺腫は保険適用外と判断している医師もいる。
その中に大腸ESDガイドライン作成の共著のトップに並ぶ医師がいる。
生検結果を聞くまで自分の腫瘍が癌なのか良性なのかは不明だがもちろんがん細胞が無かった方がいい。
但し良性だったら保険が適用されず今回の手術費に約60万円を支払わなければならない可能性がある。
逆にがんであった場合は高額医療費制度で支払額が14万円以下だ。
更にアフラックのがん保険に加入しているので早期がんであっても約30万円が支給される。
経済負担なくがん細胞が見つかるのか高額な医療費を払ってでもがんが無かった方のどちらを選ぶかといえば迷わず後者に飛びつくが医療負担も少ない方がいい。
入院申し込み時に加入している健康保険に相談に行ってくるように勧められたので限度額適用認定証を貰い入院受付でそのコピーを渡している。
その後医師、事務員、看護師から手術費の全額負担について説明がなかったので保険対象になるはずだが少し不安だ。
そういえば手術代の精算が次回通院時と遅くなっているのもまさか生検の結果次第で費用が変わるのではないのか?
ただでさえダウと日経が下がり株がズタボロで含み損を見たくなくて当面塩漬け状態に想定外の加支出はきつすぎる。
余計な事を調べなきゃよかったと少し後悔する。
そして結果を聞くため通院した。
結論からいえば経済的な心配は無用だった。
入院記のタイトルを途中で変更した通りがん細胞が発見されてしまったからだ。
実際には担当医から知らされる前に医師のパソコンに表示されていた腫瘍の映像の下の英文のディスクリプションにcancerの文字を見つけたのでその時点で気がついた。
説明によると平坦なポリープの真ん中の突起物が癌だった。
大きさにして18mm
転移は低いと前置きをされ次回6ヶ月後の内視鏡検査の予約をした。
入院中に依頼していた造影CTのCDをもらう。
1カ月経過しても脇腹の痛みが治らなきゃ大学病院の総合内科にでも駆け込むつもりだ。
あとアフラックのがん保険の給付金の請求をする必要がある。
父親のがん保険の手続きは
- アフラックのコールセンターに連絡
- 書類を郵送で受け取る
- アフラック専用の診断書の未記入用紙を病院に渡して記入してもらう
- 数週間後に受け取る
- 診断書、給付金請求書、診療明細書(今回不要)、患者の身分証明を2点送付
- 保険会社に到着して数日後に給付
という流れだった。
念のためにがん保険の証書を持っていたのとアフラックには書類ダウンロードサービスがあることを予習しておいたので病院で証券番号やがんの種類などを記入して申請書類一式をスマホにPDFでダウンロードして上記3番の手続きまで済ませてしまう。
院内にコンビニがあるのでプリントするアプリを使ってダウンロードしたPDFを複合機で印刷する。
機種変して今のスマホにはアプリが無かったのでインストールした。
セブンイレブン
ファミリーマート
久々に使ったのでWiFiをポケットWiFiからコンビニ複合機のWiFiに切り替えるのを忘れていて少し手間取った。
印刷した書類一式で診断書と診断書記入のガイドを事務受付に渡して担当医の記入依頼を申し込んだ。
来院して受け取りではなくコンビニで切手を購入して担当医が記入したら郵送してもらう。
普通なら一旦自宅に戻りアフラックのコールセンターに電話して資料を郵送してもらい後日病院に行って所定の診断書記入の依頼をして再度取りに行き申請書と併せて保険会社へ送付するのだがこれで病院へ行かなくても済む。
あとは郵送されてきた診断書に必要書類を併せて郵送すればがん保険の給付金申請の対応が終わる。
おそらくこれが最速の申請だ。
今回は12万円程度なので急ぐ必要もなかったが抗がん治療や高度先進医療を受けたりすると病院への支払いがキツイので告知を受けてから早く受給したい。
院内や病院周辺にWiFiでプリント出来る複合機がある事が前提だが相当不便な病院でない限り見つかりそうだ。
なんて話は今回どうでもいい。
問題なのはがん細胞が見つかったこと。
サイズからは早期がん扱いになりそうだが医師ははっきり上皮内新生物と教えてくれなかった。
これまでの所見や4cmというサイズがあるのにも大腸壁を突き抜けていない事実から癌化しないポリープだと思い込んでいた。
そしてがんがあったと虚を突かれ聞きたい質問ができずに診察が終わってしまった。
アフラック所定の診断書は上皮内新生物なのか悪性新生物なのかで給付額が異なるので明記する欄がある。
だから記入済み診断書が届けばどちらなのかはわかる。
楽観視はやめ上皮内新生物と悪性新生物の両面で心積もりをしておく。
今のところ転移が見つからなかったが転移が無いとはいわれていない。
それでも早期発見で癌を切除したことを素直に喜ぶべきだ。
切った後に癌と知る方が切る前に知るより精神的ダメージが少ない。
但し腫瘍4cmで内1.8cmががん細胞で早期がん扱いなのかはよく分からないが。。。
そして昨年受けたPET-CTだ。
このサイズで1年前にまだがんが無かったと考えづらい。
PET検診が華麗にスルーしたことになる。
執刀した担当医も「平坦な」腫瘍は良性悪性関わらずPETで見つけるのが苦手だと同業をフォローされていた。
しかしブドウ糖に似た成分を注射してがんが栄養分を消費する性質を利用してどこに集まっているかをPETとしてCT画像と重ねて見つけるのがPET-CTだ。
CTだけでは見つけにくいがんを見つけられるのがPET-CTではなかったのか…
がんが大きくなったり手遅れでようやく見つかるような検査では意味がない。
PET-CTは転移を見つけるための機器で高い機材をあまり稼働していないと損だという病院経営の観点から早期がん発見に向いているわけでないのに無理矢理検診に使っている裏事情が透けて見える。
金を取るならこのサイズくらいは見つけて欲しいものだ。
それでもPETで回腸(小腸の出口)に軽度の浮腫状壁肥厚があり胃カメラ検査をしたクリニックで相談したところギリギリチェックできると教えてくれた。
大腸内視鏡検査を受けてがんが見つかるキッカケになっている。
もしPETを受けていなければきつい人には地獄の大腸内視鏡検査を受けるのに躊躇し続けた。
受けたい意思はブログ開始から幾度となく記事にしていたことからもわかるが便潜血検査で陰性なので大丈夫だろうと内心思い踏ん切りがつかなかった。
回腸の病変を見つけたPETにも回腸もギリギリ見えると大腸カメラを勧めてくれた医師にもがんを切除してくれた医師にも感謝している。
だから今後もがんの新しいスクリーニング検査が世に出てこなければ5年毎にPET-CT検査を受けようと考えている。
大腸内視鏡検査はしばらくの間半年毎に受診していくことになりそう。
これでは当面下脇腹痛が治ることはなさそうだ。。
そういえば大腸に腫瘍が見つかってから忘却の彼方の回腸の病変はなんだったんだろう。。
後日談で持病で10年来受診している総合病院の担当医に大腸手術が終わったのを報告した所ひと回り歳上のその医師は便潜血検査が陰性でそんな大きさの腫瘍ができるのかと驚いていた。
大腸内視鏡検査をしたことがないらしいので勧めたところ結腸の曲がり方が特殊らしくファイバーを入れると痛いはずだから絶対いやだという。
最近は安定剤や炭酸ガスでかなり楽に受けられると言っても聞く耳を持たない。
だったら大腸バリウム検査なら液体で痛くないのでどう?って勧めたらあんなものCTより放射線浴びるから嫌だという。
おいおい、医師が検査を否定してどうするんだ。
でも正直な先生なのでずっと通院している。笑
そして下手に医療知識があるので医者が不養生になるというのも頷ける。
あとで調べてみると明確に比較しているサイトは少ないが大腸透視は結構な被曝量があるようだ。