著書『年収300万円時代を生き抜く経済学』で平均年収予想を当てた森永卓郎氏が次の予想を年収10万円時代が到来するとしニュースになった。
普通の仕事は人工知能に置き換わってしまい10年後には半分の仕事を40年後には9割の仕事を人工知能やロボットがやる。
10万円では食べていけないので多くの人が生活保護になる。
国民の大半が生活保護ではまずいから生まれた人すべてに一定のおカネを配るベーシックインカム制度を採用するという流れだ。
ベーシックインカムは池上彰さんのテレビ番組でもよく出てくる単語。
社会主義到来かよ。
相変わらず面白いネタを提供してくれる森永さん。
デフレ基調で国民の収入が減るトレンドは貯蓄の切り崩しセミリタイヤで逃げ込んだ人にとっては願ったり叶ったりの予想だ。
単純に1億2000万人全員に毎月7万円の支給をするためには税収100兆円が必要なので累進税率やめて税率一律50%にでもしないと無理だろう。
もし税収アップでベーシックインカム採用できてもタダで金がもらえると外国人が流れ込んできて困るので鎖国のように移住者の条件を厳しくしなきゃいけないし今いる約130万の外国人なんてベーシックインカムの既得権で働かなくなる。
原資が足りず税金だけじゃなく年寄の虎の子の老齢年金にも手をつける危険性だってある。
ベーシックインカムの実現性以前に人間の仕事の半数が10年やそこらで人工知能に置き換わることが怪しい。
2年前には自分も森永さんと似たような考えだったし仕事柄10年くらい前からフォーラムなどでもいずれ多くの仕事は人工知能に置き換わると聴いて頷いていた。
しかし現実は思った以上に人工知能の社会への浸透速度が遅い。
ここ最近人工知能っぽいものに触れたのはLINEのりんなやSIRIとペッパーくんとヨーカドーの受付ロボくらい。
受付ロボは当初物珍しそうに買い物客も質問をしていたが今やだれも見向きもせず寂しくたたずんでいる。
物珍しそうに遊んでいたペッパーくんも今や店の隅でいじけている。
自動運転はそろそろ製品化されそうだが我が町に自動運転タクシーがやってくるまで生きていられるか怪しいぞ。
アメリカの医療のサポートや大学の事務方の処理などに利用されたり企業のヘルプデスクのチャット版に使われているようだがまだまだ。
この状態であと10年やそこらで人の仕事を半分置き換えられるとは到底思えない。
それに4~5年前の方が人工知能に関する情報が世に出ていた。
現在はニュースにすらならないので各国の最新人工知能がどれだけ進化しているのか見えない。
それは人工知能を制すれば世界の覇権を握れる可能性があるので秘匿して開発競争を進めているのではないかと考えている。
人知を超える人工知能が「経済を動かす」「政治のサポートをさせる」「人の真理を考えさせる」「戦争の参謀をさせる」「人工知能に更なる高みの人工知能を設計させる」素人でも思いつくので国家が考えていないはずがない。
人工知能を国家プロジェクトとして命運を賭けていないのは先進国の中では日本くらいではないだろうか。。
中国の人工知能アナウンサーで驚いていた方もいるだろうが凄いのはCG技術だけでアナウンスそのものは大昔からある音声読み上げアプリ「読み上げくん」の進化版で大した技術でもない。
それに会話は基本「そうですね」と相槌しか打てないポンコツときている。
ニュースで自称専門家がまばたきがリアルで凄いと騒いでいたが人工知能と何も関係ないだろう。
あれを人工知能と考える専門家はいないはず。
まだりんなやSIRIの方が優秀かもしれない。
ここから会話ができるようになるためには気が遠くなる技術革新が必要だ。
国家が保有している人工知能はすさまじい勢いで進化しており既にほぼ人間並みの知能を有しているかもしれないがそんな技術を民間に渡すと他国に技術が渡ってしまうので国家機密だろう。
民間での開発が人工知能の一般社会での進歩となり人の仕事が置き換わるのにはまだ数十年の歳月が必要になると思えてならない。
加速させることができるのは民間で国家並みの経済力を保有し単独で人工知能を開発しそうなGoogle、アマゾン、アップル、FBあたり。
ただこの4社はあまりに強大になっており人工知能の覇権まで手中に収めようとすれば米国の独禁法で会社を分断される恐れがあるのであまり表立って無茶苦茶なことはしない気がする。
とにかく開発に乗り遅れていそうな日本が人工知能を使った政治の駆け引きや経済戦争で生き残れるかが心配だ。
だから人工知能に仕事を取られてといより日本が人工知能戦争に負けて結果として森永さんの年収10万円時代はあり得るのかもしれない。。
レンポウ蓮舫議員の事業仕分けでの「2位じゃダメなんでしょうか?」という発想とそれを支持した人々が技術力を失いつつある日本の分岐点になってしまったようだ。