前立腺がんが2020年の統計で男性の癌のトップになる記事が発表された。
記事の通り検査で早期発見が出来る癌だ。
それも胃カメラ、大腸カメラ、CTという体に負担をかける検査ではなく血液検査で済む。
腫瘍マーカーのひとつPSAの値によって前立腺がんの可能性を見つけられる。
一般的に腫瘍マーカーの癌発見の精度は低い。
ただアマゾンなどで販売している癌発見キットや人間ドックに含まれているので有効な検査かと勘違いされているが陽性でも癌がなく陰性でも癌のケースもあり早期発見にはあまり役に立たない。(参考記事)
だから腫瘍マーカーが陽性で癌と決めつけてはいけないし陰性でも大丈夫と安心してはいけない。
自分も何度か腫瘍マーカーの癌検査キットを購入してすべて陰性で安心したことがあるがあれは間違いだった。
しかしPSAは前立腺がん検診として、国内の7割程度の市町村が実施していることからも有効だと分かる。
一方厚労省は「有効性評価に関する研究が不十分な現状にあり、対策型検診として推奨するに至らなかった」と2008年のガイドラインで結論付けているので国の推奨にはなっていない。
それどころか自治体にPSA検査の実施を考え直せと発信している。
また最近の泌尿器外科学の論文では厚労省のガイドラインに真っ向から対立するようにPSAの有効性を訴えている。
更に米国では有効性無し、欧州ではありと意見が分かれる検査のようだ。
こちらの記事ではPSAが癌が見つかっても前立腺がんは進行が遅く命に関わりにくいがんであり手術による合併症の影響が大きいと締めくくっている。
癌が見つかっても20~50%は救えないし治療すると合併症の方が怖いという何だか歯切れの悪い結論になっている。
国の意見が正しいのか泌尿器科学会の意見が正しいか分からないが持病の治療の副作用のリスクに前立腺がんがあるためPSA検査を半年に1回受けている。
国が認めていない検査のため毎回自費検査になっている。
前立腺がんは早期発見が意味なく死亡率が7.5%と低いので早期発見なんかせず見つかったら死なないように祈っていようなんてスタンスは気に入らない。
だから今後もPSA検査は自費で続ける。
しかしPSAが高いからと言ってすぐに癌を疑い手術ではなく大学病院などで精密検査を受けて決めた方がよさそうだ。