鬼滅の刃(きめつのやいば)にハマっている。
少年ジャンプで連載中で半年以上前に1期が放送されたアニメだが遅ればせながら。
一気観で19話でこの作品何か違うとやっと気がついた。
原作者がボロ泣きして20回も観たらしい。
SEED35話、ハンターハンター135話、まどマギ10話、あの花11話、友人帳の水底の燕、シュタゲー23話などに並ぶ神回のようだ。
アニメ版の作画や演出の気合の入り方が半端でないし声優陣もあっという間に死んじゃうようなちょい役に主役クラスを多用するという豪華な作りだ。
最初はおっさんYoutuberや芸人のよゐこ等が薦めていたのでジムの運動の合間にと観始めた。
キャラが少女漫画っぽいクリクリ目なので苦手だったが1話を観終えてハマった。
ジムで10日かけて観るつもりだったが面白くて一気観して原作も途中まで読んでいる。
・いい意味で単純で分かりやすい
・背景は大正時代
・鬼を特殊な剣術で倒していく
・ドラゴンボールやBLEACHの強化方法を踏襲
・目的は鋼の錬金術師に近い
・ラスボスがジョジョ並みに無敵っぽい
・主人公が心境を解説
・敵キャラにも事情がある
という感じだ。
もちろん熱狂的なファン視点だと違った見方もあるかもしれない。
大正といえば富国強兵で日本が強くなっていった時代なのではいからさんが通るなど華やかな世界というイメージがある中におどろおどろしい世界観を持ってきたのは面白い。
大正時代なら鬼が居てもいいんじゃない?という原作者のイメージだったのだろう。
もしくは鬼と刀と大正ロマンといえば広井王子氏の某ゲームの影響かな?
ヒーロー物は必殺技を覚えて強くなっていくがこのストーリーでは修練も大切に描いている。
そして修練も命がけだ。
ドラゴンボール、ハンターハンター、BLEACHなどもやはり基本は修練で強くなるが修練をここまでクローズアップしているのは初期の頃のジョジョ並みだろう。
修練してレベルアップしながら戦いの中で覚醒して強くなることもある。
修練と覚醒でレベルアップするのはヒーロー作品の基本だ。
花の慶次のように「虎や狼が日々鍛錬をするかね?」と天才的な身体能力を持つ主人公が嘯く漫画もあるが凡人な視聴者に共感を得るためには修練があった方がいい。
そして物語の目的は妹を助けること。
家族をめちゃくちゃにされた鬼への「復讐」がテーマかと思いきやそうではない。
某国のドラマだととりあえず復讐もので溢れ返っているが日本はそうではない。
憎しみはあるが復讐心ではなく兄妹の絆や家族愛を原動力に戦っている。
そして人を食う鬼にされた敵に対しても慈悲を持って他のキャラと差別化が図られている。
このあたりが日本人の琴線に触れるのだろう。
鋼の錬金術師と目的と主要キャラの構成が似ているがこちらの場合は母親を生き返らせたいという願望が生んだ若気の自業自得で弟の体を失い取り戻す方法を探すことで真の目的は世界の真理を知ることだった。
一方で鬼滅の刃の主人公は復讐心で埋め尽くされるほどひどい目にあっているのにそれを一旦横に置いて妹を助ける一点のために妹と共に戦う兄妹の絆を描いた作品だ。
普通なら憎しみで気が狂いそうになるところ妹を助けたいという一心で闇に飲み込まれるのを抑えているし妹も完全に取り込まれるのを兄との絆でギリギリ踏みとどまっている。
ひとりっ子には憧れすら湧き起こるのかも。
ただ今の日本人如きではありえない忍耐力で昔の人なら居たかも知れないし居たような気がする。
だから敢えて大正時代にしたのだろう。
そして出てくるボスが毎度無理ゲーだ。
それをギリギリで乗り越えていくのを無理だとか痛いとか弱音を吐きつつも妹を助けたいという葛藤の中で奮い立たせて戦っている描写がこれまでいそうでいなかった主人公だ。
おっさんにも共感を呼んでいるのはこのあたりだろう。
あと敵も人間だった頃の事情や鬼になった悲しいストーリーも挿入されており物語の厚みを形成している。
2020年には第1期の続編が映画公開されるので楽しみだ。
今ならGYAOで1話ずつ無料配信されている。
アマゾンプライムビデオ、ビデオパス、Dアニメあたりなら全話観られる。(2020/1現在)