携帯3社が店舗及び電話サポート不要な人に対して新プランを発表したので、
これを機に通信費を見直そう。
そのためにはまず現状把握だ。
総務省統計局の家計集計より家庭別の通信費を抽出した。
各世帯平均を確認して自宅の通信費が平均より上か下か参考にしよう。
2020年の約8000世帯を対象にした統計によると通信費平均は11,323円だった。
世帯人数別だと単身者が7,286円で家族が1人増えるごとに3,000~4,000円ずつ上昇していることが分かる。
1人目の携帯代+(2人目以降人数x携帯代ー割引額)+(固定回線費)= 通信費
恐らく太字の増分に当たるのだろう。
そして世帯主の年齢が40~50歳が通信費がピークに分布しているのはこの世代に扶養者が多く被扶養者が携帯回線を各自保有しているため。
あと単身者を詳しく見ると、
女性より男性の方が高く、単身者全体より勤労者の方が高い傾向がある。
年齢別だと男性は34歳以下が高く女性は35~59歳が高いようだ。
どの世代でも通信費はかなりの出費を占めている。
そして一般的に通信費は携帯代と自宅の固定回線費用になる。
各家庭で主にこの4つの組み合わせが考えられる。
- 格安携帯回線x人数
- キャリア携帯回線x人数
- 固定回線+格安携帯回線x人数
- 固定回線+キャリア携帯回線x人数
MNO=キャリア携帯、MVNO=格安携帯と呼称を統一した。
あと1ヶ月データ通信100GBなどの再販携帯回線もあるが少数派なので割愛する。
NTTの固定電話契約も割愛する。
従って網羅しきれていないご家庭もある。
4パターンで通信費を安くする方法を検討していこう。
常識の範疇なので特に目新しい節約法ではない。
1.格安携帯回線x人数
この4グループの中では一番コストがかかっていない。
コスト意識が高い、もしくは家計が厳しいご家庭だ。
格安SIMを家族で使用しており個別で例えば親はOCNモバイルで子供はLINEモバイルを使っているようなバラバラな契約かもしくはIIJmio、BIGLOBEモバイル、OCNモバイルONEで家族一括のファミリーシェアプランでデータ量をシェアしているケースが考えられる。
もし前者であれば後者の一括契約にした場合のデメリットとコストを調査して比較検討してみるのがいい。
一方でデータシェアをしている場合は例えば親は2GBで十分だが子供は20GBくらい欲しいので家族内で格安SIMとahamo、povo、LINEMOやワイモバイルなどの組み合わせで家族全体のコストが下がらないかも考えてみる。
家族構成や各自どの程度データ量を使うかによって異なってくるので一概にどれがいいとは言い切れない。
単身者のケースで15GB使いたい場合に2021/3/11時点で最安は1300円だ。
端末がiPhoneとしてまず現在の音声SIMは楽天モバイルにMNPにする。
このSIMは基本モバイルデータをオフにして音声SIMとしてゼロ円運用する。
そして2021/4/1開始のIIJmioのeSIM15GBプランを追加利用すればデータ15GB使えて音声電話も利用可能で支払い総額は1300円(税抜)のプランが完成する。
楽天モバイルの電波エリアが途切れた時の電話着信が気になるがIIJmioを含む格安SIMはドコモ・AU・ソフトバンクのいずれかの回線なのでRakuten LinkというIP電話アプリにて常に着信も発信も可能だ。
IIJだけではなくOCNモバイルONEも3/12に新プランを発表するのでこちらもチェックしておこう。
これまで4人家族でIIJmioでファミリーシェア32GBを契約して8860円(税別)支払っていたのなら別々のプランで各自15GB(合計60GB)使えて5200円(税別)で済むことになる。
家族全員がiPhoneやeSIM利用可能スマホやデュアルSIMの端末なら条件次第で0円で使える楽天モバイルを組み合わせるのも格安契約を更に安くするポイントになる。
現状ではIIJmioのみ先行して新プランが発表されているが他の格安携帯会社でもお得なプランが発表される可能性もあるのでしばらく携帯ニュースをチェックしよう。
2.キャリア携帯回線x人数
このご家庭は下手にMNPなど考えずそのまま使い続けるのがよさそう。
これまで格安SIMに移っていないのはドコモ・AU・ソフトバンク店舗や電話のサポートがないと不安な方々に他ならない。
そうではなく携帯回線に詳しくて回線速度低下が嫌で格安SIMに乗り換えなかったのであればドコモのahamo、KDDIのpovo、ソフトバンクのLINEMOに切り替える検討すべきだしその予定だろう。
しかし例えばahamoは決済サービス、キャリアメール、docomo回線の留守番電話などこれまで使えていたサービスが大量に使えなくなるデメリットもあるので比較検討すべきだ。
それにpovoやLINEMOに切り替えてスマホが故障した時に電話の修理サポートも受けられず自宅に回線もないのにどうやって修理を依頼するのだろう?
ahamoは端末提供しているがpovoとLINEMOは機種変更でこれまでキャリアの店舗で購入していた端末をネットショップなどで調達しないといけない。
ショップの人にSIMを入れ替えてもらい設定をして移行作業もして貰っていたかも知れないがオンライン申し込みをして送られてくるのはSIMカードだけ。
端末のSIMを入れ替え、設定変更も自らがやることになる。
これらが自己解決できないのであれば不用意に変更するべきではない。
それよりも使ってもいない余計な有料オプションを契約していないかを家族か友人の詳しい人にチェックして貰い不要なサービスがあればオンラインで解約するか店舗で解約してもらおう。
いまさら居ないとは思うが家族割を活用していなければ利用しよう。
3.固定回線+格安携帯回線x人数
自宅でもがっつりとインターネットを使っておりコストも意識されているご家庭だ。
データ容量が少なめな格安SIMを使っているなら外で視聴予定の動画は自宅のWiFiでダウンロードして持ち出していると気を使っているだろう。
そんなご家庭で検討すべきは固定回線のコスト削減だ。
固定回線には以前は安いADSL回線もあったが今は光回線が主流になっている。
費用は4000~8000円で接続方法やマンションや一軒家などで費用の幅がある。
自宅でパソコンでインターネットをやったりVOD(NETFLIXやHULUやAMAZONプライムビデオ)を観ている家庭だとやはり携帯回線だけでは心許ない。
最近だと3,000円台で100GBのポケットWiFiなどもあるがデータ量を気にしながら大きなテレビで視聴は辛いし5G電波でも入らない限り固定回線の方が安定している。
一概にはいえないがNTTフレッツよりはKDDIとソフトバンクの光回線の方が割引などを含めると安いケースがあるので年間コストと開通諸経費を現在の回線と比較してみよう。
マンションによっては集線装置などの設置がなくてKDDIはダメとかソフトバンクはNGとかあるので自治会や管理組合などに確認するといい。
一軒家なら大抵3社とも引き込めるんじゃないかな。
あとNTTフレッツであれば光コラボの転用もある。
一時期に度重なる勧誘電話でNTTでもないのにNTTのフリして光コラボ運営会社がかけていたので詐欺のイメージが強い。
消防署の方から来ましたといって消火器売りつける詐欺と一緒のようなもの。
しかしNTTも許容しているのでしっかり調べれば案外割引率が高かったりする。
転用すると回線速度の低下などサービス低下リスクもあるので運営会社の評判は必ず確認したほうがいい。
実際ひどいところもあるようだ。
あと固定回線を変更するのに当たって問題になるのは昔から使っているメールアドレスだ。
回線を解約してもメールアドレスだけを利用するサービスもあるが永久に余計なコストになってしまうのでいっそのことGmailなどに全て変更してしまうのも検討しよう。
古くから使っているネット通販などに登録されていて変更が大変なのである程度時間をかけた方がいい。
現在使っている格安SIMより光回線と同じキャリアの携帯SIMの方がセット割がついて安くなる可能性もあるので一社にまとめてしまうのも検討しよう。
あと格安キャリアが運営している光回線もあるのでそちらに乗り換えて携帯格安SIMとセット割にするのも要検討だ。
念のため土着のケーブルテレビのインターネット回線が安く使えないかも確認しておこう。
回線速度をさほど気にしない動画配信のために契約しているなら一般的に回線が遅めなケーブルテレビのインターネットサービスでも悪くはない。
もしひかり電話などを利用している場合でケーブルテレビサービスに変えるなら固定電話が無くなって問題ないかも検討しなければいけない。
携帯格安回線については1番を参考に。
4.固定回線+キャリア携帯回線x人数
通信費平均を引き上げているいわゆる富裕層なご家庭だ。
もしくは元々携帯だけ契約していたところ訪問販売などに引っ掛かり電話回線を光回線に変更したご家庭だろうか?
3番同様に固定回線と携帯キャリアを同一にすることにより割引を得る。
そこで考えられるのはスマホと光回線を同じ会社にすると効くセット割引だ。
例えばドコモであれば全員がドコモの契約にして光回線もドコモ光プランにすればスマホ代が安くなる。
あと現時点ではドコモだけだが家族の中でSIMの差し替えやAPNの設定が可能な人がいればその人だけahamoに変更して家族割のカウントを減らさずに通信費を節約することも出来る。
2番同様に携帯回線で使っていない有料オプションが無いか確認してオンラインもしくは店舗で解約することだ。
あと訪問販売で固定電話回線を光回線に変更させられてWiFiを大して活用していないなら固定電話回線ごとやめてしまう検討もしよう。
余計な詐欺電話がかかってこなくなっていい。
このグループは通信費に対してあまりコスト意識がなく回線節約なんて下らない支出に頭を使うよりも収入を増やすことに力を注ぐべきという価値観の方も多いと考えられるのでできるだけ手間のかからない節約だけ考えよう。
さいごに
皆さんがそれぞれ身の丈に合った節約をして2020年の統計の通信費が千円でも安くなればいい。
その代わりキャリアや格安SIM会社はコンテンツやサポートなど別の領域のビジネスを模索しないと業績が下がる。