以前に知人と飲み会をして低山登りやサイクリングの連絡用にトランシーバーを持とうということになった。
一昨年のしまなみ海道ではひとりの自転車がパンクしてスマホで連絡を貰っていたけど着信音に気がつかず数キロ走ってから追走していないと気づき戻ったことがあった。
自転車や低山の複数名で連絡を取るなら携帯よりもトランシーバーの方が便利じゃないかと使ってみることにした。
成り行きでトランシーバー購買係となり全員分用意して配布してカネを回収することになった。
一度も使ったことがない未知のトランシーバーの世界を調べてると普通の人が使えそうな無線はこの4つらしい。
- アマチュア無線
- デジタル簡易無線(登録局)
- デジタル小電力コミュニティ無線
- 特定小電力トランシーバー
アマチュア無線は試験を合格して免許制度になる。
4級でもこの中では最大出力の無線が使えるのは便利だ。
そして小学生でも勉強すれば取得できる。
しかし一緒にサイクリングや登山するグループ内でいちいち免許を取ってもらわなきゃいけないので却下だ。
二つ目のデジタル簡易無線は免許不要だが総務省に登録申請をして年間400円電波使用料を支払う。
出力は5Wあるので結構な距離飛ぶようだ。
知人のひとりは昔遭難しかけたことがあり年間400円の使用料なら安いしこれがいいという流れになった。
登録して毎年納付書が届いたら支払うだけなので大した手間でもない。
しかし別のひとりがデジタル簡易無線トランシーバーの価格を知り渋る。
最安で2万円台後半から5万円くらいが相場になる。
反対が出たのでこれも却下だ。
同じく3番目のデジタル小電力無線は0.5Wまでで登録不要だが端末が3万円近く高いのでやめることになった。
最後の安くて登録も不要な特定小電力トランシーバー、通称「特小」を人数分揃えてみることにした。
子供のおもちゃや大型店舗内や遊園地の従業員の連絡用に使われている製品で出力はたった10mWしかない。
もしかすると出力としては電話の子機並みではないかな?
(予想通り出力は一緒だった)
周波数も総務省が定めたものを使わないといけない。
電話の子機だと家の中の距離が限界のイメージだが特小トランシーバーは見通しにもよるが開けた住宅街で200-400mで何もない土手などの場所なら最長1km程度飛ぶと言われている。
動画で特小トランシーバーの到達距離を計測しているひとが何人かいたがおおよそそんな結果だった。
どれを買うかだが大きく分けて1台1万円前後のアルインコやアイコムなどのメーカー数社か、中華系のwesTayin製と二番手や三番手の格安品か、更にそれらの設計あたりをパクったようなコピーモノという選択肢がありそう。
技適が確実に付いていて安心なのはメーカー品だ。
でも2台で4000円とか安さを知るとどうしてもまともなメーカー製は割高に見えて中華製のwesTayinのどれかを買おうと調べていた。
ただこの中華メーカーもラインナップが多くどれがいいのかよくわからない。
中華製の更にコピーモノも同じブランド名で売っていそうな感じであえて中華三番手あたりのTRH866を買ってみた。
このあたりならコピー物もないだろうし紹介していた動画の親子さんがいい感じだった。
よくわからない世界なのでえい!と雰囲気で決めるしかない。
タイムセールで価格も1台あたり1300円くらいで入手できたので自分より金持ちばかりの人達なので失敗しても文句を言う人もいまい。
使ってみて電波の届きが不足していればデジタル簡易無線あたりにステップアップすればいい。
機能としてVOXハンズフリーもヘッドセットのイヤホンジャックもある。
百均の単四充電池を入れれば本体機能で充電もできそう。
周波数も特小で使っている一般的な帯域だ。
ただメリットの表示、携帯で言うところのアンテナピクト(電波強度)表示はない。
wesTayinにはあったはず。
でも他人に薦めるならアルインコあたりのちゃんとした製品なのかな?
届いて単四電池3本ずつ入れて使ってみたけど、
本当におもちゃみたい。
いや、おもちゃにしか見えん。
プラスティックの筐体がチープすぎるw
今どきの中華技術ならもう少し何とかならないか?
安っぽいオールプラスチック製のお陰で本体重量は68gで単四3本入れて100g弱だ。
防水性能はゼロなので雨天の登山やサイクリングには無理だ。
音声は昔遊園地などで見たトランシーバーと変わらずこもっている。
説明書を読むと設定はごちゃごちゃ書いてあるが20chありそれをみんなで合わせてだれかひとりが横のボタンを押しながらしゃべる。
双方通話はできない。
横のボタンをダブルタップすると呼び出し音がなる。
それだけ覚えればよさそうだ。
メーカーは技適を取得していると言い張っており技適マークもあったが証明書番号が届出番号として刻印されておりちょっと怪しいが、
技適おじさんではないのでそこまで気にしていない。
ひとりでは試せないので次の飲み会で渡してバラバラになる帰りに通話してみたら繁華街の地上と地下街数十メートル先まで電波が届いた。
地上直線でも300mは会話ができたのでみんな見た目のおもちゃ感に騙され驚いていた。
音は悪いがマイクからある程度離せば会話は成り立つ。
呼び出し音のボリュームは無いようでかなり馬鹿でかい。
最悪音声が入りにくくなっても呼び出しを鳴らす回数で止まってとか緊急事態とか決めておけばいい。
クルマでも見通し距離なら連絡に使えそう。
おもちゃみたいでもこれは使えるという結論だった。