10年以上前から背中の肩甲骨の左下あたりに大きいアテローム(粉瘤)がある。
測ってもらったらサイズはΦ35mmらしい。
アテロームとは毛穴が垢など何かの理由で塞がって皮脂線から皮脂が出せなくなりそれが皮膚の中で膨れ上がってデキモノになる。
一度できてしまうと摘出しない限り治らない。
このアテロームは仕事をしていた頃に雑菌が入って数週間痛くなったことがある。
あの時の痛みはきつかった。
一度きりでそれ以外は特に痛みもないし背中なので気にしなければどうということもない。
マッサージやその他サービスを受ける時に触らないでとお願いするくらい。
しかし不定期に膿が出てきて鼻が曲がるほど臭い。
もうシャレにならない。
特に鼻が利くのでしばらく鬱になる。
数年のスパンで膿も垂れずにおとなしい期間もあった。
アテロームの存在を忘れて久々に膿が出るとどこだよこの臭いのは!ゴミ箱か?排水口か?外か?と臭いの元を探し回り踵を返すと臭いことから自分の背中だったというノリツッコミしていることもある。
何日か病院に通わないといけないし数日はシャワーも無理なので働いていた頃には切除できなかった。
痛みが出た時に診てくれた総合病院の医師も悪性ではないので切っても切らなくてもどちらでもいいという判断だったので放置し続けてきた。
久々にくっさい臭いが出たので我慢するのをやめて新しいホームドクターに相談してこの際切ってもらうことにした。
アテロームの手術は完全に切除してしまう手術とくり抜き法がある。
くり抜き法なら痛みも少なく患部も小さいので治りも早い。
ただホームドクターは専門が皮膚科ではなく外科なので通常の切除になる。
何でも細かく説明してくれるので全面的に信頼しており皮膚科に行かず全切除で手術をしてもらうことにした。
というのは建前でネットでくり抜き法で切るのがうまそうな皮膚科を探したが遠かったので通うのが面倒で諦めたという経緯がある。
まだ手術をすると決めたわけでもないのに術日からのスケジュールを引いたり術法や予後の対応や薬の処方までわかりやすく説明してくれた。
Φ3〜4センチの非露出患部のアテローム摘出手術をネットで確認すると相場は1〜1.5万円だ。
露出部だと更に高い。
「背中なので4-5針かな?手足とか顔など見えるところならもっと細かく縫うよ」と教えてくれた。
露出部は手術時間がかかりそうなので高いようだ。
相談した同日の夜にさっさと手術してもらった。
決めたら早い方がいい。
それに外科医は医療ドラマの通り切るのがとても好きなようだw
一般の患者さんを診終わってからやってもらう。
「通常診療後にコロナ患者がくるなら少し待ってもらうことになる」ってコロナウィルスの接触が怖いが仕方がない。
数日はシャワーもやめた方がいいらしいので夕方に浴びてから手術代の2万円を握りしめて出かけた。
到着してうつ伏せに寝てから約50分で手術が終わった。
術後うつ伏せの状態のまま見せてくれたので写真に撮れなかったが想像より大きな塊を摘出された。
うわ
キショ
こんなものが背中に埋まっていたのか!
撮れたとしてもグロ過ぎて載せられん。
奥に潜っていたのか表面の出っ張りとは比べ物にならないほど大きく驚いた。
術中は想像より痛かった。
一気に麻酔を入れずに痛みを確認しながら足していたので仕方がない。
麻酔に歯科の使ってる強心剤のようなものは使用してないと教えてくれたので一気には投与できないのかな?
心臓が止まらないように混ぜているんだと思うがあの妙にドキドキしてくる奴はかなり苦手なので入っていない方が助かる。
手術は背中にくっついたゴムのようなものを引っ張り千切られ続ける奇妙な感覚だった。
意外と痛かったのは手術糸で縫ったあと引っ張って皮を接合するとき。
麻酔ありでこの痛みだと切れたら相当痛くなりそうと身構えた。
処方されたのはロキソニンとレボフロキサシン(クラビット)という抗生物質とロキソニンの胃荒れを防ぐテプレノンだ。
会計は薬込みで約2400円だった。
本来は院外処方クリニックだが時間が遅かったため院内で出してもらう。
ネットで見た粉瘤3-4cm手術相場の1/3だ。
この料金でやっていけるのかな?
医師と看護師と事務方の3人でやっている。
以前通っていた人気の旧ホームドクターのように医師1人に8人以上の看護師と受付が常勤みたいな過剰体制ではないのでお安くてもできるんだろうけどそれにしても安い。
3回目の診察では帰りに医師から指示を受けた看護師さんから診察券渡されて(会計もせず)これで終わりですと帰れと促されてしまう。
そりゃあ払わなくていいのは助かるけどここはNPO団体か何か?
患者の話をよく聴いてくれてしっかり病状や医学的な理論を説明してくれるしわからないことは追加検査しないとわからないといい「これは胃腸風邪だ!」なんて断言しない。
旧ホームドクターは熱や体調不良を触診だけで「胃腸風邪!」と言い当ててウィルスが原因のはずなのに細菌を殺す抗生物質を必ず処方してくれる名医だった。
お年寄りはそのまま安心を得るために通っていただければいいが個人的にはホームドクターを替えて正解だったw
機能性ディスペプシアで通ったクリニックの医師も患者の意見を聞いてくれて内科医の技術としては新ホームドクターより上だとは思うがちと遠すぎなのと混みすぎで診察時間が1-2分と短いのがたまにキズだ。
術後に歩きで帰ったのは辛かった。
普段は自転車で出かけるが雨天なのでクルマにしようか迷って帰りにシートに座ると患部に当たるだろうと徒歩にした。
歩くと背中の筋肉が動く。
筋肉が動けば皮がつっぱる。
皮がつっぱると患部がズキズキ痛い。
座席シートに背をつけずに運転すればいいだけだったのでクルマで行かなかった自分を呪った。
家に帰って夕食を作ったが手術前に食べておけばよかった。
なんとなく手術は空腹の方がいいかなと考えたが術後は何もしない方がいい。
調理で腕を動かすといちいち背中が痛い。
以前に粉瘤に雑菌が入った時より痛いぞこれは。
でもまだ麻酔が完全に切れていないのでもっと痛くなるのか?!
飯を食べて薬を飲んで動くのをやめた。
しかしピークは帰宅後1時間でその後はロキソニンが効いているのか痛みはほぼ感じない。
ボルタレンではなくロキソニンが効く程度の痛みなら大した痛みでないという自分の中の基準がある。
術後はそれ程痛くならないはずだよと医師が言っていたのが当たっていた。
仰向けでは痛みがあるのと傷が開かないかと寝られないので横向きやうつ伏せで寝た。
うつ伏せ寝は腰が悪い人はやめた方がいい。
危うくギックリ腰になりかける。
昔は毎週マッサージに通ってうつ伏せで1-2時間寝ていたがそれもできなくなったようだ。
寝不足なものの翌日は痛みはない。
貼ってあるガーゼ取り替えで通院し患部を押さえられた時に痛かった。
4日目で2度目のガーゼ交換をして傷口は順調に塞がっている。
普段痛みはないが3〜6日目も厚めのガーゼとテーピングが患部に押し付けられると痛いので仰向けのポジションで寝られないのが辛い。
背中の圧力で傷口に食い込み痛みが出る。
ガーゼが薄いと細菌の感染が気になるので仕方ない。
常に横向き寝だ。
シャワーも頭と背中以外を洗って後は濡れタオルで拭くだけ。
さすがに4日目には頭が臭くて嫌になったのでダイソーの散髪ケープを首から被って首周りにサランラップで防水加工を施して背中にお湯が当たらないよう洗った。
テーピングは取れないようにと粘着力の強いスポーツ用を貼ってくれた。
痛みはなかったのでこのテーピング周りのかゆみが一番辛かったかな。
切ってから8日目で抜糸した。
そして更に1週間経過して4回目の通院で5針のうち1針分が開いてしまっていたので最近は安静にしている。
痛みもないので調子に乗ってビートセイバーやジムで激しい動きをし過ぎたかも。
年で治りも遅いだろうし術後3週間は安静にするのが正解なようだ。