ソーラーパネルを購入して、
その後にポータブル電源を買うことに決めた。
決め手は要件に合うノーブランド系製品がセールで安くソーラーパネルとポータブル電源(以降ポタ電)で3万円で収まりそうだったから。
モバイルバッテリーは2万mAhを充電したまま避難袋に入れてあるので電気供給が停止しても数日のスマホへの給電は可能だ。
一方で家電の100Vが使えるポタ電購入は今回初めてだ。
まだスマホのスもない時代に事務所に戻るのが面倒でワゴン車にインバーター積んでPCつないで車中で仕事をしていたことはある。
あれもカーバッテリーをポタ電にしたようなもの。
ポタ電購入ポイントは下記の通り。
- 容量(相場=容量/100-1万円)
- 出力/最大出力
- バッテリーの種類
- 電圧100Vか110V
- 波形
- 太陽充電機能
- 50/60Hz切り替え
- パススルー
- ブランド
電池やモバイルバッテリーも同様だが容量が小さければ使える電力が少ない代わりに軽い。
軽さvs容量と価格はトレードオフになる。
ポタ電では100Whを底辺にして約4000Whまで給電できるモデルがある。
最大のものであればエアコンの平均消費電力が300Whであれば理論値で10時間以上稼働できる。
通常エントリーから中型モデルは
容量/100-0.5万円
という価格が現状の相場のようだ。
500Whのポタ電なら
500/100-0.5=4.5万円
エントリーモデルの売れ線は300Whや500Whだ。
次にいくら容量が大きくても出力が低いと使える機器が制限される。
これは内部のインバーター回路の性能に依存する。
スペック上で500W/最大1Kkw表記だと通常は500Wの出力まで使えて一瞬で有れば1kWまで耐える。
モーター類が入った製品などは初動の使用電力が高い。
例えば定格使用電力500Wと書かれたエアコンでも実際には最初だけ800Wとかの電力が無いと起動しないのでポタ電もこんな特性になる。
ポタ電のバッテリーは主に2種類ありこれまで販売していたコバルト酸リチウム電池とリン酸鉄リチウム電池だ。
一般的にリチウム電池といえばコバルト酸だ。
リン酸鉄リチウムの方が充電サイクル性能と安全性が高い。
デメリットはセル電圧が若干低い。
テスラのエントリーモデルのクルマに搭載されて広まっているバッテリーだ。
元々価格も高かったが中国が保有する特許切れでジェネリック品が量産され始めたのか急激に安くなり最近はEVの普及でコバルト酸リチウムと製造コストがあまり変わらないようだ。
あとポタ電力の家庭用コンセントの電圧は出回っている製品の多くが110Vなので100Vでないと壊れそうな家電や高額な製品を動かしたい場合は100V製品が必要だ。
波形については新しい製品はほぼ正弦波だが少し古いとか激安製品では修正(正弦)波のものがある。
これも電圧と同じでシビアな家電だと壊れてしまうので(純)正弦波の製品を選びたい。
すでにポタ電の市場から修正正弦波の製品は消えかけている。
とにかく新陳代謝が早い業界だ。
ソーラーパネルからポタ電を充電する際の性能としてMPPT回路が優秀なので太陽光を活用したい場合はこの回路があった方がいい。
旧回路と10%程度効率が違う。
周波数50/60Hzの切り替えは電子レンジやモーター類を使っている洗濯機や蛍光灯などを使うならあった方がいい。
パススルーは通常はコンセント電源からポタ電経由で家電に供給しており、停電するとポタ電が代わりに供給する機能だ。
このスイッチングが早い機種はUPSの代わりにも使える。
ブランドはJackery、ANKER、JVCケンウッド、EcoFlowあたりが有名どころになる。
今回はノーブランドの同型モデルがそこそこ多く出回っていて容量が300Wh前後で最大出力が500W以上でMPPT回路を持つリン酸鉄リチウム電池搭載品の出来るだけ安い製品にした。
このスペックだと2万円中盤から3万円が相場だがセールでお安くポチった。
災害用で普段使うわけでもないので充電回数寿命が長いリン酸鉄リチウムにする必要も無かったがコバルト酸リチウム電池より安全という観点で選んだ。
思ったよりサイズは小さいが体重計で計測すると4.1kgとずっしり重い。
足に落とせば100%骨折だ。
但し仕様には2.6kgと書いてあったり4.8kgと書いてあったりするので重さを測ったら仕様詐欺が色々あるのではないかと不安が高まる。
ポートは入力がDC12-24V、出力はシガーソケット、12Vx2、USB QC3.0x2、TypeCx1、AC100Vx2となっている。
あと前面上部にLEDライトがある。
付属品は71WのAC充電アダプター、シガレット充電アダプター、ソーラーパネル用のmc4変換コネクターだ。
早速満充電してどの程度容量があるか調査した。
容量さえ仕様通りならとりあえずokとしよう。
負荷は普段使っているAC扇風機とエアコンを対流させるためのACサーキュレーターにした。
92W一定で消費してくれる。
仕様だと298Whだがこのポタ電のバッテリー電圧から100Vへの変換効率が85%なので出力できるのは253.3Whとなる。
結果は2時間45分稼働してストンと落ちた。
写真の通りの表示が0%になってからの粘りが長かった。
2.75h x 92W = 253Wh
まさか理論値ピッタリというのも凄い。
容量は仕様通りなので安心した。
表示が0%で粘るのを良しとせず文句を言ってたレビューもあった。
ただブランドのひとつEcoFlowの実容量を測る動画でも0%から脅威の粘りを見せていたのでリン酸鉄リチウムバッテリーの残量管理は発展途上なのだろう。
これだけ容量があれば手持ちのバルミューダ扇風機の風量を3/4段階で回した実測が5Wなので24時間回し続けられる。
4/4にすると15Wなので足りないが昼間は最大、夜は3/4で停電時の熱中症予防として使える。
災害時の情報収集のスマホなどガジェットやラジオのための単3充電池の充電も余裕だ。
先日買ったソーラーパネルで夕方に満充電できていれば照明も同時に使える。
内蔵のLEDの明るさはさほどでないが近づければ文字くらいは読めた。
それより手持ちの卓上LEDスタンドが3.4Wだったので夏の夜の停電時にはこちらとバルミューダ扇風機の使用になりそうだ。
室温29度で放電時の天井面温度は42度だった。
AC充電アダプターによるフル充電は4.9hかかる。
消費電力は65Wで電圧変換ロスで実際には55Wで充電されている。
そして災害が起きた場合の電気の持続性として先日購入したソーラーパネルをつないで充電したかったがドン曇りや土砂降りが連日続く。
気象庁も梅雨晴れ宣言したのミスったのでは無いかというほど。
ドン曇りで充電してみるとどんな方向に向けようが1Wしか出ていない。
1日中太陽光発電させても10Whしか貯まらないのでは屁のつっぱりにもならん。
ソーラーパネルは災害や長期停電でドン曇りが続くと全く使いモノにならない。
これが最大のネックだ。
自然に影響されず電気を安定供給できるのは燃料使った発電機だな。
まさに現実世界のベースロード電源である原発の話と一緒だ。
災害対策のベースロード電源になり得るのはガソリン式発電機が最安で3万円台、カセットガスボンベ式が6万円台、あとは足漕ぎ式だがこれは除外だろう。
家庭でガソリンの保管は大変なので置くなら燃料の保管が容易なカセット式だ。
ガスとソーラーのハイブリッドエネルギーで夏冬の災害に全て備えるなら
- カセット式発電機
- カセットガスストーブ
- ポータブル電源500Wh
- ソーラーパネル100W
- カセットガスボンベ48本
を揃えてしまうと安心だ。
エントリーモデルで揃えて約15万円だ。
ガスボンベは焼肉やすき焼きや鍋で使って日常備蓄で7年サイクルで入れ替えられる本数を目安にしよう。
閑話休題で曇り時々晴れの日にソーラーパネルを太陽光に対して90度で当てたところ59W発電した。
70Wは欲しいところだが安物なので仕方がない。
色々位置を変えて見たがこれが最大だ。
少し傾けたりすると10Wあたりまで低下する。
布団を干すようにベランダの外に吊るして40W前後、これが我が家で発電できる最大出力のようだ。
しばらくチェックしていると40Wと1Wを交互に繰り返している。
反応が鈍いなと思っていたのは鈍いというより出力が消えたりついたりを繰り返していただけだった。
だから実際には20W程度しか充電できない。
ポタ電は悪くないようだがソーラーパネルがハズレだった。