ゲーミングPCのCPUクーラー交換とケースファン追加で完成

i3-12100とGTX2060で組んだPCに最後のパーツであるCPUクーラーとケースファンをつけていく。

まずはCPUクーラーが最初に届いた。

2400円とお安く買えたがLGA1700に対応しているか怪しかった。

写真は未対応で説明文には対応とあり質問では違うモデルではあるが別売と書かれていた。

届いたAX120 SEをチェックしたところ賭けに勝った。

パッケージの右側に青抜きで17xx Socket Supportと刻印されている。

封を開けるとLGA1700のバックパネルとリテンションを支える専用の青い支柱もちゃんとついていた。

LGA1700対応か分からないため売れずに価格が下がってしまったのではないか。

価格.comにもなく国内でほぼレビューされていないのも理由の一つだろう。

それでもThermalrightのCPUクーラーならそれほどハズレではないはずだ。

ヒートシンクの出来も悪くない。

ファンはさすがに安っぽい?と思ったが型番TL-C 12Cは単品価格1000円で上位モデルにも採用されている製品だった。

ということは残りのヒートシンクと付属品が1400円になる。

ブラックフライデー以降は更に2割引になっている。

この安値で売って利益が出るのか?

当初3千円台級王者のDEEPCOOLのAK400を買おうとしたが売り切れていた。

そのAK400より少し落ちるがライバルのアイネックスのSE-224-XTAとサーマルライトのこのマイナークーラーと悩んで千円安いこちらにした。

有名どころの冷え冷えCPUクーラーと共に仕様を並べてみると

設計もあるだろうが冷却能力の基本はヒートシンクの重量とパイプの本数なのでAK400やSE-224-XTAには敵わないはず。

しかし長い間迷ったら「これ一択」と言わしめた国産メーカーの虎徹2に近しい作りになっていそう。

i3-12100のMTP(ターボブースト時のTDP)が89Wなのでリテールよりも冷えればいい。

ちなみに主要なCPUクーラー業界の国勢力はこのようになっている。

台湾企業 Cooler Master、TermalRight、SilverStone、Thermaltakeなど

日本企業 アイネックス、サイズ、クライオリグ、オウルテックなど

米国 コルセア

オーストリア ノクチュア(ハイブランド)

中国企業 DEEPCOOL、ID-Cooling

韓国 ZALMAN

PCはクーラーも含めて台湾勢が老舗で日本や米国がバランスのある堅実な製品を発表しオーストリアのノクチュアが高級品を作り新興の中国が低賃金でコスパの高いもので勢力拡大している。

自作をしていた頃の勢力図は台湾勢がフルラインナップの物量で攻めてきて高級品を日本と韓国が作っていたがここ最近は中国企業のDEEPCOOLが突如強くなり始めた。

この業界まで中国だ。。

PC系YouTuberを使ったステマ戦略も効果があるのではないかと邪推している。

CPUクーラーに限らずこれから日本の新興企業もこういうメディア戦略も必須だ。

単に清廉潔白な経営では馬の目を生き抜くことはできない。

もちろんまともな製品が作れなきゃ掴んだ消費者が怒るだけなのでコスパ製品を作るのは前提だ。

まともなモノを誠実にコツコツ作っているだけでは話題にならず新規参入でシェアを奪うのは生半可ではないのでステマは無くてはならない。

四の五の御託を並べておらずさっさとAX120r SEの取り付けだ。

バックプレートが樹脂だったのが少し残念だがこの価格で文句を言ったらバチが当たる。

いい買い物ができたと喜びながら組み付けていく。

まずは先日はめたばかりのインテル純正のリテールクーラーを取っ払う。

作業に邪魔なのでメモリーも外してバックプレートを基盤裏側に両面テープで貼り付ける。

青い支柱をはめてリテンション金具をねじ止めする。

CPUグリスは拭き取って付け直すのが正解だが一昨日つけたばかりのグリスなのでそのまま使い上から新CPUクーラー付属グリスをバッテンで付け足しておく。

そこにプレートを優しく当ててヒートシンクをねじ止めだ。

少し固くなったあたりで止めてファンを金具でヒートシンクに引っ掛けて完成だ。

ファンが回ることを確認してメモリーを挿し直してケースの蓋をして早速cinebenchを流す。

これは冷え冷えだ。

室温24度でどう頑張っても61度までしか上昇しない。

昨日と同じ室温でリテールクーラーよりも-19度冷えていることになる。

本当か?とCPUとグラボにより過酷にストレステストとFFベンチを同時に流してみる。

CPUコア0で何とか69度まで上昇させたぞ!

これが限界だ。

もはや何の検証か分からないがよく冷えるのは間違いない。

グラボの79度→76度はCPUファンの流れがトップフローからサイドフローに変わりケース内に滞留する温かい空気が排気されやすくなり下がったと想定される。

前回の条件より過酷にしてもCPUコア温度は-11度なのでいいクーラーを掴んだようだ。

ファンの音はかなり小さくなったがグラボのファンがそこそこのノイズを出すので静音PCでは無い。

あの9.11事件があった頃までは寝室にPCを置いて夜中も稼働させていたので静音が生活に密着しておりCPU、電源、ケースのファンやファンコンを取っ替え引っ替えしたりヒートシンクも色々交換してまるで「静音化が趣味」のようだった。

当時ならCPUファンとグラボファンを更に静音製が高いクーラーに交換しただろうが今はリビング設置なのでうるさい全録レコーダーが稼働していたと思えばこれで十分だ。

しかしせっかくケースファン3本4分岐ケーブルも届いたのでこちらも取り付けていこう。

さすがにPC用の12cmファンの最安相場が単品900円前後なのに半値近いので作りはチャチだ。

1800rpmのファンを回してみると1個体で1400rpmあたりから軸ブレ爆音が出て残念品質だ。

レビューをみるとメーカーに交換してもらっている人もいるようだが面倒なので1400rpm以下で運用する。

天面に排気ひとつ、前面に吸気2つ取り付けた。

CPUファンx1、グラボファンx2、ケースファンx4と7枚装着してまるでファンの数だけは一丁前にi7にRTX3080あたりを積んだハイエンドPCだ。

まずはそのまま何も調整せず起動してベンチマークを取る。

前回同様にCPU負荷とグラボのベンチマークの同時実行だ。

さすがに大量にケースファンを取りつけると先程のFF15とCINEBENCHの同時負荷でCPU60度(-9度)、グラボ67度(-9度)とかなり効果がある。

たださすがに音がうるせー!

そこで前面下側のファンの電源を引き抜いて稼働ファンをひとつ減らす。

明らかにオーバークールで電気代の無駄使いなのでこれは夏用にする。

次にBIOSからCPUが何度になったらファンの回転やかける電圧でどれくらいに上昇させるかを調整した。

最近はBIOSでもこんなグラフィカルにファンの回転数調整ができるんだと感心した。

実はPWM対応ファンなのでCPUファンのように回転数を割合(%)で調整できるが安物ファンのせいか低回転の調整が難しく電圧調整の方が微細なファンコントロールができる。

同じメーカーの3ピンファンより200円高い4ピンを買ったが意味がなかった。

デフォルトは温度が上がると回転数もガッと急上昇するようになっていたがCPU温度が60度あたりで1000rpmで80度で1400rpmとなだらかにした。

CPUファンも調整して一旦は満足できる冷え方と騒音のバランスが取れた。

しかし回転数調整の負荷のかけ方が前述のCPUとグラボのベンチマークの同時稼働だったのでPCVRやゲーム機として普通に使うのと異なる環境だった。

重めの3Dゲームを遊ぶ時にはグラボがブン回ってCPUはかなり余裕がある。

しかしケースファンはCPUの温度に合わせて回転数を上昇させるのでグラボだけが熱を持った場合は他人事のように知らん顔だ。

するとグラボファンだけが必死に回って騒音が出る。

グラボの温度にもケースファンが連動すればいいがBIOS制御はできない。

ソフトウェア制御のFanCtrlあたりを使えばダイレクトに連動させることもできそうだが昔使って苦労した記憶があるTweakだったかspeedfanだったかソフト系は常駐させるとリソースを食われたり他に悪い影響が出る経験をしているのでBIOSだけで制御したい。

3Dゲームやグラボのベンチマークや負荷テストでCPU温度をチェックすると48度位まで上昇していることがわかったのでそのあたりを閾値とする。

CPUファンを調整し48度まで上がりやすくさせてCPU温度に連動してケースファンをそこそこ回す設定にした。

CPUファン

50度で20%回転

60度で50%回転

85度で100%回転

ケースファン

50度で1000rpm

60度で1200rpm

85度で1400rpm

とBIOSで調整した。

これで50度あたりまでCPU冷却能力を抑えてあるのでグラボを使えばそれを動かす程度のCPU負荷がかかり温度が到達してケースファンが規定値まで回り出す。

ケースファンの回転音をグラボファンの高回転音より抑えつつ回しグラボ周りのエアフローができる。

その結果グラボの温度が上昇し難くなりグラボファンの高回転を抑えられトータルで騒音を下げるという理屈で実際にうまくいった。

夏になり気温が変わってきたらまた調整が必要なのでここに理屈を書き残しておく。

但し1週間後にはfanctrlを使って通常は400rpmあたりでグラボのホットスポット温度が85度あたりから急激にケースファンの回転数を上げる設定に変えていた。

BIOSのCPU温度だけで全てのファン制御には無理がある。

ゲーミングPCはGPUより20度近く温度が高いホットスポットで回転数を変えた方が冷却レスポンスがいい。

もちろんCPU温度上昇でも回転数を上昇させる条件も加えてある。

これでアイドル時にはほぼ無音でCPUかGPUのいずれかに高負荷がかかった途端にファンがぶん回るようになった。

食わず嫌いだったがfanctrlは優秀だ。

パーツを五月雨のように買ったので組み上がるまで丸10日かかった。

忙しい時には鬱陶しいと思っていた自作だが暇だと案外楽しめた。

これで格安ゲーミングPCの完成だ。

誰が見るわけでもないので横のフィルムは当面このままにしておこう。

所定の場所に設置してOSドライブのバックアップを取って完成だ。

手持ちのHDDをゲームデータ保管庫にしていたがロード時間を考えたら大容量SSDにしないと大作ゲームなんてやってられん。

ということでアマゾンブラックフライデーの1TBのSSD購入につながる。

10万円で作ることに決めたので追加SSDは翌月12月の通常予算から捻出した。

意味は無いが気持ちの問題だ。

ゲーミング PCを組む目的として当初は

  • STEAMの3Dゲーム(エミュ含む)
  • PCVR
  • エンコード
  • 動画編集
  • 3Dモデリングソフト

を挙げたが試してみて感動したのが動画品質向上ソフトだ。

AVCLabs Video Enhancer AIの試用版を落として使ってみたがマジで手持ちの古い動画が綺麗になる。

著作権の都合で比較画像は出せないがYoutubeで古い映像を4Kアップスケール動画にしてアップしてアクセス稼いでいる勢がいるがこの手のAIソフトを使っているようだ。

特筆したいのは顔面補正機能だ。

大量の人の顔のパターンからおそらくこういう顔と肌の質だろうと決めてテクスチャー貼り付けて一から顔を再構築しているような印象を受ける。

当然だがあまりに汚い動画はどうしようもなくアナログ地上波テレビ番組をキャプチャーした動画より初期の頃のDVD画質あたりを綺麗にするのに向いている。

問題は変換速度だ。

640×480→1080p(高画質)でRTX2060使っても約1FPSの速度で変換するので1分の動画に30分、1時間だと30時間かかる。。。

スタンダード品質でも2FPSの15倍かけて変換している。

CPUもGPUもかなり暇をしているのでもう少し効率よく動作して5FPS程度の変換速度があるといい。

それでも変換後の画質はリマスタリングしたようになり驚く。

人の表情にアンドロイド感が出たりカーペットの素材感をノイズと勘違いしてのっぺりさせたりとあと一歩な部分も多くあるがコンシューマー機材でここまでできてしまうようになったのかという感動が先行する。

ただソフトが買取で4.3万円(月額は5808円)なので手が出ない。

ライバルソフトのTopaz Photo AIも199ドルする。

使うなら1ヶ月だけライセンス買って手持ち動画を片っ端から変換するかと本気で悩んでいる。

280Whで24時間ぶん回してドラマ1話分なので1クール分変換する電気代が2358円か。

この節電の時期にシャレにならん。

やはりあと数倍の変換速度が欲しい。

AVCLabsの顔面補正はGPUでVRAM 4GB、推奨6GB以上が要件だ。

一度やってみると8mmカメラやVHSカメラで撮り貯めた動画をお持ちの方は片っ端から変換したくなること請け合いだ。

テキストの組み合わせてディープラーニングで画像生成するStable Diffusionもいつかやってみたい。

このためのVRAM12GBだ。

セットアップが面倒なので手を出していない。

これ使って楽してカネ儲けのアイデアでも浮かんだらセットアップのモチベーションになる。

あとアップル・アプリストアやGooglePlayに相当するゲーム業界のプラットフォームのSteamで面白いゲームないか漁っていたらPS4以降で発表したスパロボとかGジェネまでやりたいゲームが揃っている。

70%オフオータムキャンペーンでいくつかゲームを買ってみたところがプレステ4の中古どころか新品で買った方が安いタイトルもある。

ただ PC以外にPS4だPS5だスイッチだといくつも筐体を揃えるのも初期投資がかかるのでゲーミングPCでお得なゲームを探そう。

Steam内のゲームをしばらくチェックしていて思ったのは、

オリンピック入場曲でもゲームといえば日本の代名詞なのに国産ゲームメーカーが結託してSteamの対抗ゲーム販売プラットフォームができなかったのが残念だ。

チャンスはいくらでもあったはず。

Steam運営のバルブ社は非上場でありながら世界一の営業利益を上げているという噂だ。

VODやYouTubeやアプリストアもグーグルプレイもそうだがサービス系は黒船アメリカにやられている…

tiktokやLINEは経済安全保障を危ぶむ声が大きい中国と韓国資本だ。

元祖ゲーム発信王国といわれているが過去の栄光のようになっておりSTEAM上では原神などを含めて中国から大作ゲームが次から次へと発表される時代になった。

悔しいことだがここ1〜2年のタイトルなんてクオリティも高い。

マルチ言語対応といってもなぜか日本の半数の人口の韓国語があるのに日本語未対応ゲームが多くてがっかりする。

英語版で遊んでもいいんだけどやっぱり日本語を表示するのが楽だ。

ソニーのプレステもそうだが日本のゲーム市場は世界ゲーム業界から見捨てられ始めている気がする。

物作りだけの日本からアメリカのように基礎研究からサービス提供までフルラインナップで稼げる企業を育てる国にならないと未来は明るくならない。

バブル期辺りまでは欧米の技術を取り入れて日本のもの作りと融合させてイケイケだった。

人口も減りつつあり中国の格安製品台頭や欧州による環境問題を利用したクルマの内燃機関をEV化を世界に強要などこのままでは日本経済は不安なので円安に振れている今こそサービスを含めた輸出業を再強化する時期を迎えている。

観光立国なんてくだらない一部の煽動者の言葉に騙されてはいかん。

あれは発展途上国が取るべき戦略で日本ほどGDPがデカいと世界1の観光国になろうが大した底上げにもならない。

日本企業がこの手のサービス事業を始めると初期投資分を早く回収しようと最初から商品にコスト転嫁して結局は全然売れず落とし穴にはまる。

その根源にあるのが株式による資金調達力の差でその更に根っこは緩やかなデフレ状態なのに経済が維持できてしまい国民の中の特にカネ持っているお年寄りが円貯金から離れなかったこと。

このままインフレが続けば「円貯金は資産目減りの代名詞」となり投資活動が活発になるかもしれない。

あとは国がカネを出して口出しせず成功しているグローバル経営戦略教育を施していかないといつまで経っても外国人経営者に依存しなきゃならん。

以前言及した台湾の先端半導体技術も社会主義国にTSMCの技術が独占されたら世界の経済安全保障がヤバくなるので西側諸侯で台湾を守らねばという国家戦略から出来上がった技術の一端だ。

モノマネはお家芸の国のはずなのでああいった国家戦略を真似ていかなければ国の凋落が見えてくる。

ん?なんの話だったか。。

そうそう、ようやく格安ゲーミングPCは完成に至った。

長い間PC組み立て記事にお付き合いいただきありがとうございました。

これでゲーミングPC組み立ての連載?はおしまいです。

たぶん


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