映画老後の資金がありませんは天海祐希さんが主演された前田哲監督作品だ。
アマプラで視聴可能になっていた。
ドタバタコメディーに分類される作品だ。
あらすじは割愛するが長年ドラマの女王に君臨した天海祐希さんや大御所の草笛さんが出演されている作品なので安定感がある。
個人的には憑依系役者の役所広司、山田孝之、西島秀俊、菅田将暉、中谷美紀、深津絵里、菅野美穂、長澤まさみあたりの出演作品が好きだが一辺倒演技でも突き詰めればこれだけ人を魅了できる天海さんの演技力はさすがだ。
脚本が雑でもなんとかなる。
タイトルの通り老後の資金が足りんということで天海さんが右往左往していくハートフルコメディーだがどうすれば資金が貯められるとか老後の暮らしの安定を確保するノウハウ映画ではない。
レビューでノウハウなくてガッカリしたという意見があったが映画の脚本如きでそんなノウハウが出せたらとっくにその手のノウハウ本がベストセラーになっている。
それこそ世の中甘く考えすぎ。
どちらかといえば40代や50代夫婦で大して貯蓄もないのに降りかかってくる手痛い出費の数々に「わかる、わかる」と共感を得るための作品だ。
旦那や奥さんが財布の紐をしっかり締めていれば散財なんてないだろーと観ていたが「不可抗力でどうしようもないよなー」「あれはしゃーない」「あんたそこで言い出すのか?」「コミュニティ上それは仕方がないか」と思わず主人公役の天海さんの肩を持ってしまう。
よくネットニュースで上がるウソか誠かわからない詳しい老後破産報告もあり得るかもと思わせる内容だった。
そしてラストはこの作品なりの「老後の資金がありません」の落とし所をつけている。
あまり現実的な結論ではなくファンタジー感の残る最後だが大切なのは老後に対する貯蓄だけでなく心構えも大切だということと家族さえいればやっていけるかもと思わせてくれるハートフル作品だった。
財務省か金融庁の差金だったかわからないが老後二千万円問題で国民を煽るよりこういう映画を制作して政府提供してはいかがだろう?
もちろんコメディーにしたら国が作る内容ではないだの嘆かわしいだの容認できないだの一部の国民が騒ぎ立てるかもしれないが漫画や映画やドラマに置き換えるとなんでもわかりやすい。
国民がバカで理解できないというより日々の仕事や生活で手一杯で先の想像する余裕なんて無い人が大半なので2時間程度の映画で分かりやすく示すのも国の役目では無いかと考える。
タイムリーなところならマイナンバー普及のためのドタバタコメディーなんて制作してもいいぞ。
デジタル担当大臣もクレカをマイナンバーに紐付けるとか何に使うか怪しすぎることを企むのでは無く国民へデジタル化がなぜ必要なのか、セキュリティ管理にはどう取り組んでいるか、未来予想図をどのように描いているのかビジョンを含めた啓蒙活動を考えるのが正解では無いだろうか?
アマゾンプライムビデオで観たのでまだ観ていない方は一度鑑賞されるのもいい。
旦那や奥さんやお子さんなどご家族が健在ならウチも何とかなるかもと思わせてくれるだろうし、
若い独り身だと結婚して相方いた方がいいなと出生率が多少なりと上昇するかもしれないし、
歳を取って独り身で老後不安な方は…
うーん観ない方がいいかも。