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映画「藁の楯」を観て

日に日に映画やドラマの完走が難しくなってきた中で1回の休憩を挟んでなんとか完走した映画だ。

『藁の楯』(わらのたて)は、日本のサスペンス・アクション映画です。原作は木内一裕の同名小説で、映画は2013年に公開されました。

この映画のストーリーは、極悪な犯罪者である男が、金持ちの家族から命を狙われるところから始まります。男の命を守るために、特別な警護を依頼された警察官たちが物語の中心です。彼らは、男の安全を確保するために、さまざまな困難や危険な状況に立ち向かうことになります。

映画のテーマは、正義と倫理、そして人間の感情の複雑さを探るもので、観客に深い考察を促す内容となっています。アクションとサスペンスが織り交ぜられたスリリングな展開が特徴で、緊迫したシーンが続きます。

ひとでなしの役をやらせたら今や日本一といっても過言ではない藤原竜也の演技がすごい。

人より感情はないし所詮は映画と観ていたがそれでも気持ちがざわついてしまう。

主役の大沢たかおは元々演技派でありおばさん役※の松嶋菜々子も能面大根役者を卒業して巧くなっている時期だ。

※ヒロインと書きたかったがドラマの中でそう描かれているので仕方がない。

それでも藤原竜也の怪演に押し負けていると感じた。

そして原作•脚本は深いテーマと強烈な感情のぶつかり合いによって深い印象を与える。

倫理、正義、そして人間の暗い側面を掘り下げることによって感情のうねりを受け取ることになる。

ひとりの犯罪者が複数の人々に甚大な苦しみをもたらし彼の処罰を巡る倫理的ジレンマが中心に据えられていた。

刑事たちがその犯人を取り囲む様子は単なる追跡劇にとどまらず正義とは何か?という根源的な問いを投げかけてくる。

そして犯人の冷酷さと犯罪の背景に屈折した精神状態があることが描かれていた。

その裏には深い絶望や憎しみが渦巻いて強い感情的なインパクトがあった。

犯人の行動が引き起こすのは単なる恐怖や怒りだけではなく哀しみや同情の入り混じった複雑な感情だ。

そして犯人だけではなく刑事たちの葛藤も映画の中心的なテーマになっている。

警察の職務と個人の感情との間で揺れ動きながら個々の正義を実現しようと足掻いている。

また人間の脆さや恐ろしさを浮き彫りにして犯人の暴力的な行動は彼自身の内面的な恐怖や絶望の反映であり同時に人間の持つ根源的な危険性をも示していた。

もしかすると原作では描かれていたかも知れないが映画の中では犯人のタガの外れた倫理観がどのように育ったのかまで掘り下げていれば作品に深みが増した。

それでも映画の限られた時間の中で複雑な過去があったのではないかと演技の中で表現している。

この映画の犯人の表層だけを知り人のクズとして切り捨てると見えてこない世界もあるかも知れないということを思い知らされた。

あまり評価が高くない映画だがアマプラで観られるので興味がある人はご覧あれ。

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