まさか中山美穂さんが亡くなられてしまうとは予想外のさらに外だった。
当初懸念された死因が自⚪︎では無さそうなのには少しだけショックが和らいだがそれでもぽっかりと穴が空いた気持ちになる。
自分より少し下で特に熱烈なファンでもなかった。
それでも彼女の歌はよく聴いたしドラマもよく観た。
特に楽曲ではRosaが好きだった。
ドラマファンだったのでドラマで考察すると彼女の存在は稀有だった。
80年代アイドルなのに女優専業と互角以上の活躍で当時はトレンディドラマ全盛期でありながら、彼女だけは異なるカラーで主演を続けていた。
彼女よりひとまわり上の女優はヒロインというポジションが一般的で坂口良子、池上季実子、古手川祐子、多岐川裕美あたりの当時人気女優もドラマでは主演というよりヒロイン役だった。
同時期のトレンディドラマ女優にしても結局は男性俳優が主演でヒロイン役が多く、「抱きしめたい」というドラマにてW浅野の人気女優2人がかりでようやく主演だった。
それをデビュー間もなくの「セーラー服反逆同盟」からトレンディドラマとは異なる中山美穂というジャンルで主演を続けていた。
女性を物語の柱として成立させたので女優若しくは女性の地位向上にも貢献したわけだ。
当初はおそらくアイドルで演技ができるという稀有な存在だったので女優出身にないアイドル人気を活かして歌手と女優の二足の草鞋でキャリアを積んだのだろう。
当時のアイドルはルッキズム全盛期で顔さえよければ歌やドラマのセリフなんて棒読みでもいい時代だった。
それ以前のスター誕生世代などはルックスよりも歌ありきで器量持ちが選ばれているし女優ならどこかの塾や劇団、映画制作会社などで演劇の修行をするのが普通だった。
80年代後半から90年代前半なんてルックスも??で歌も下手、演技もダメなのにやたら人気があるアイドルが増産されてしまう。
それで80年代アイドルブームが消滅したんだと考察する。
自分も洋楽に移ったのはこのためだ。
だから今に比べると敷居は低かったがルックスから選出されて、歌も演技もできるなんて奇跡の人だったわけだ。
ドラマ主演兼主題歌の歌手と芸能界の大谷翔平といっても過言では無い程の影響力があった。
楽曲の50・50なんて彼女の芸能活動そのものを指していたのかも知れない。
前述の通りそれまでの女優はヒロインであり中山美穂は主演で、おそらく初代ドラマの女王でもある。※
※山口百恵さんも近いポジションに居たが何せ引退が早すぎた。
その後の常盤貴子、深津絵里、松嶋菜々子、柴咲コウ、綾瀬はるか、天海祐希あたりが主演を張って高視聴率を叩き出してドラマの女王と呼ばれる概念そのものを作った存在だと考察している。
もし辻仁成と結婚してフランスに行っていなければ連続主演記録だって観月ありさではなく彼女の頭上にあったかも知れない。
長いブランクでファンも減って後半は芸能活動に苦しんでいたように見えたし妹さんの方が活躍していたように見えた。
それでも亡くなった当日には開催予定のコンサートが中止となり、多くのファンが嘆くニュースが流れていた。
本当に惜しい方を亡くした。
そのうち飲み仲間でカラオケに行ったらRosaでも歌いたい。
芸能シーンの一時代を築いた中山美穂さん、どうか安らかにお眠りください。