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テレ東開局60周年記念ドラマ「晴れたらいいね」を観て

久しぶりに冬にほっこりした良作ドラマに出会った。

最近のドラマは1話を観るのも苦痛で、序盤10分で詰まらなくて結局途中で観るのをやめてしまうことが多い。

そんな中、このドラマは2時間近いにもかかわらず一気に観てしまった。

全体の雰囲気は、一昔前のNHKの朝ドラを思わせるような温かさがあり、ファンタジー要素を加えて映画のようにコンパクトにまとまっている。

戦時中を舞台にしているが、あくまでファンタジーの世界観なので、「戦時中なのに服装が小綺麗すぎる」とか「顔がふくよかで物資不足の感じがない」などとリアリティを追求して難癖をつけるような人には向かない。

寛容さを求められるドラマだ。

それを理解したうえで観れば、非常に魅力的な作品だ。

脚本が素晴らしかったので、思わず調べてみると岡田惠和の名前があった。

さすがファンタジー系が得意な脚本家だ。

原作付きとはいえ、このドラマの温かさや絶妙なバランスは岡田脚本の手腕によるところが大きい。

彼の代表作には『ちゅらさん』『天気予報の恋人』『アルジャーノンに花束を』『イグアナの娘』『あいのうた』などがあり、特に『ちゅらさん』や『アルジャーノン』は好きな作品でもある。

岡田惠和は、日常の中に潜む人々の心の交流や成長を繊細に描くことに定評があり、温かみのある雰囲気と詩的なセリフが特徴的だ。

青春や家族、恋愛といった普遍的なテーマを丁寧に表現し、あえて地味なストーリーにすることでキャラクターの魅力を際立たせ、緩急のつけ方も抜群にうまい。

このドラマ内で戦時中の日本人の心情を卑下したり自虐的なアンチテーゼを唱えたりすることもなく、タイムリープした主人公は周りにいそうな20代後半の価値観を持った女性と両者が絶妙なバランスを保っていた。

そしていい意味での予定調和が心地よい。

後半のアレが攻めてきた時はこうなるだろうと予想通りの展開に嬉々としてしまった。

宮崎駿アニメのナウシカか未来少年コナンだったかのオマージュにも見えたがいかがだろう?

共感できる展開を常に描いてくれると同じ感性と価値観を持っている人と愛着が湧くし、彼はその作家さんのひとりだ。

また、この作品は元々NHKのオーディオドラマとして10話構成で放送されていたことがあるらしい。

今回のドラマのタイトルには「シーズン1 エピソード1」とあったため、最初は10話くらいのシリーズものだと思い込んで観ていた。

途中で展開が妙に早いと気づき、1話完結だと理解したが、岡田脚本特有の落ち着いた進行感が失われることなく、見応えのある仕上がりだった。

さらに興味深いのは、テレ東開局60周年記念という大きな節目の作品でありながら、放送がBSテレ東制作で、さらにAmazonプライム・ビデオで配信されていることだ。

通常、テレビ局はこういった記念作品を自局で大々的に放送しようとするものだが、テレ東は視聴者に届く手段を優先し、プラットフォームを柔軟に選んでいる。

この姿勢は、他のテレビ局が失いつつある視聴者の信頼を保ち、生き残りを図るテレ東らしさそのものだ。

時代の変化を正確に捉え、柔軟に対応する姿勢を示すテレ東。

この先、テレビ局が信用を失い縮小していく中で、唯一生き残れるのはテレ東かもしれないとすら思っている。

このドラマは、その柔軟な発想と、岡田惠和の優れた脚本が見事に融合した一作だ。

Amazonプライム・ビデオで視聴可能なので興味のある方はぜひ。

おーら
この前観ていた「新暴れん坊将軍」なんて民が飢えているのに戦争準備みたいなストーリーでいかにもテレ朝の左翼プロパガンダ脚本で途中でTVerをシャットダウンした。「俺の大好きだった暴れん坊将軍を返してくれ〜」と1時間ほど問い詰めたい。もしそれを描くなら民が飢えているのに租税を巻き上げるな!にすべきだ。それに比べるとテレ東のドラマには変な思想が紛れ込んでいない。実際はそこまで戦略的なことを考えている放送局では無く経済情報以外はボサっとやっていたら一周遅れが先進的になってしまったと推察する。それとテレ東は経済情報中心でそれ以外はおざなりだったのが中立性を保てていたのだろう。しかし何故かその主力の経済情報が偏っているのが面白い。
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