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米国ドラマ「エリジウム」のまとめ動画を観て思うこと

ドラマまとめチャンネルで紹介されていた「エリジウム」のまとめ動画を観た。

動画のタイトルが書かれていないのはおそらくYouTubeのAIによる自動バンを避けるためだろう。

最近ドラマや映画をまともに観る集中力が続かないので、こういうまとめ動画で内容を把握して満足するのがちょうどいい。

有料でもいいから違法性を排除してこういう作品を要約して配信するVODサービスがあれば便利だと思う。

同じように感じている人は多いのではないだろうか?

さてこの「エリジウム」という作品だが、2013年に公開された映画でニール・ブロムカンプが監督を務めた。

舞台は2154年の地球。富裕層だけが地球の外に建設された宇宙ステーション「エリジウム」で贅沢な暮らしを享受し、貧困層は汚染された地球で過酷な労働を強いられている。

主人公のマックスは地球での事故による致命傷を治療するため、エリジウムに侵入することを目指す。

ここに「違法移民」「社会的不平等」「環境悪化」といったテーマが絡み、左派的プロパガンダが全開バリバリの内容だ。

当時はオバマ政権下であり、違法移民への寛容な姿勢や社会的平等の重要性が強調されていた時代背景がある。

その影響もあってか、エリジウムは資本主義の矛盾をテーマにした作品として制作された印象が強い。

特に「金持ちだけが優遇される社会は不正義だ」という視点が随所に散りばめられており、クリエイターたちがこのテーマを通じて何を伝えたいのかが露骨に伝わってくる。

この手の作品には既視感がある。

「地球の環境が悪化し貧困層が搾取される未来」「権力者が優位に立つディストピア」などはSFではお決まりの陳腐な構図であり、生成AIで作れそうなテンプレート感が否めない。

一方で、映像美やアクションシーンはさすがハリウッドといえるクオリティで、観る側を一気に引き込む力はある。

ただこのような作品を楽しむには「思想が混入されていること」を理解することが必要だと思う。

左派的なメッセージを無批判に受け入れるのではなく、「こういう考え方もあるのか」と冷静に捉えることが大事だ。

右派クリエイターが作れば逆のメッセージを発信する作品になるのだろうが、そもそも右派のクリエイターというのは少ないのでどうしてもエンタメは左派に偏りがちである。

どちらにしても観る側が理解して洗脳されないように俯瞰的に楽しむ余裕を持てばプロパガンダ要素も楽しみの一部になる。

個人的には「右派の金持ちに支配される地獄」も「左派の自由のない社会主義的な収容所社会のディストピア」もどちらも選びたくない。

実はこの30年間の失われた日本というのはそのちょうど中間に当たるそこそこ自由でそこそこセーフティネットの効いたバランスの取れた時代だったのかもしれない。

理想的には資本主義と社会主義のいいとこ取りをしたバランスの取れた社会の上で国が成長していくことが必要だと思う。

AIを活用すればそんな社会が実現する日が来るかもしれない。

マジンガーZを設計・製造した天才科学者の兜博士が「(使い方一つで)神にも悪魔にもなれる存在だ」と言い残して亡くなっておりAIも正に同じだ。

彼の言葉を胸に刻んで我々はAIを使っていかなければならない。

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