ChatGPT ディープリサーチを使ってみたい。
しかし今のところ月額料金が高すぎて手が出ない。
今後は人に先んじて情報を入手するためにはむかしながらの書籍などを買う、情報系セミナーなどに出席する、アドバイザーを雇うなどに近いお金がかかる時代に戻っていくと予感している。
むかしはグーグルアドセンスのおかげでネットサーチでみんな平等にそれなりの情報が得られたいい時代があったと回想する時代がやってくるかもしれない。
生成AI時代の到来と情報秘匿へのシフト
これまでインターネットの世界では、情報を公開し、それによって広告収益やサブスクリプションを得るビジネスが主流でした。個人ブロガーから大手メディアまで、良質なコンテンツを提供し、ユーザーのアクセスを集めることで収益を上げるモデルが確立されていました。しかし、生成AIの進化と普及により、情報公開の在り方が大きく変わろうとしています。
生成AIがもたらす情報の「無料化」
生成AIは、膨大な既存のデータを学習し、ユーザーの質問に対して適切な回答を瞬時に提供します。そのため、これまで人々が検索エンジンを使って情報を探し、広告付きのウェブサイトで記事を読む必要があったものが、「生成AIに聞けばすぐにわかる」時代に突入しました。これは、次のような影響をもたらします。
- 広告収益モデルの崩壊:ウェブサイトにアクセスする必要がなくなるため、広告収入に依存していたメディアやブロガーの収益が減少する。
- 情報のコモディティ化:AIがあらゆる情報をまとめて提供することで、一次情報の価値が下がり、個々の発信者の独自性が失われる。
- コンテンツの価値低下:ユーザーが直接AIから情報を得るため、質の高い記事を作成しても、流入が減り収益につながりにくくなる。
AIによる情報収集の現実
現在のAIは、無料で公開されている膨大なデータを学習し、情報を収集・解析しています。特に、オープンなウェブサイト、SNS、論文データベース、書籍などからデータを取得し、それをもとに生成されたコンテンツを提供しています。
しかし、AIが「無料で勝手に情報を食べている」と言えるかどうかは、以下の点を考慮する必要があります。
- 無料で利用可能な情報の学習
- AIは、一般公開されているウェブサイトやSNS投稿などを収集し、学習に活用。
- ただし、最近では「robots.txt」や著作権問題により、一部のサイトがAIによる収集をブロックする動きも。
- Wikipediaやオープンデータセット(Common Crawl、arXiv、GitHubの一部データなど)は、特に学習に利用されている。
- 収集コストと運用コスト
- AIのデータ収集・処理には莫大なコンピューティングリソースが必要であり、完全に無料ではない。
- 企業はGPU/TPUを活用し、膨大なデータを整理・前処理して学習させるため、運用コストは高い。
- 著作権とデータ利用の問題
- AIの学習データには著作権のあるものも含まれており、これが問題視されるケースが増えている。
- 例として、特定のアーティストの作品やニュース記事を学習し、それに類似したものを出力する問題。
- 一部のメディア企業は、AIによるデータ収集を禁止し、訴訟を起こす動きも。
情報秘匿時代への移行と情報格差の拡大
このような状況を受けて、情報公開によるビジネスモデルは徐々に難しくなり、「情報秘匿」による新たなビジネスの形が生まれつつあります。具体的には、以下のような動きが加速すると考えられます。
- クローズドなコミュニティの増加
- 情報を無料で公開せず、特定の会員にのみ提供するサブスクリプション型のビジネスが主流に。
- オンラインサロンや有料ニュースレター、限定配信のコンテンツが増える。
- 高品質な独自データの保護
- 企業や専門家は、生成AIに学習されないようにデータを囲い込み、独自性を強調する。
- データにアクセスできる権利を販売する「データエコノミー」の発展。
- リアルタイム・インタラクションの価値向上
- AIでは提供できないリアルタイムの情報(最新ニュース、ライブ配信、対話型サービス)に価値が移行。
- AIに代替できない専門家のアドバイスやコンサルティングの需要が増加。
- 独自ブランドとストーリーテリングの強化
- 単なる情報ではなく、「誰が言うか」が重要に。
- インフルエンサーや専門家が独自の視点や体験を前面に出し、ブランド価値を高める。
- 情報格差の拡大
- これまで広告主に支えられて無料で得られた情報が、有料AIやクローズドコミュニティの中に閉じ込められる。
- 情報を得るには費用がかかるため、経済力のある層だけがより良質な情報を入手できる構造に。
- 一般層は無料の情報に頼らざるを得なくなり、情報の質の格差が拡大する可能性。
未来の情報ビジネスの姿
今後、情報ビジネスは「オープン」から「クローズド」へ、そして「一般情報」から「プレミアム情報」へとシフトしていくでしょう。次のようなモデルが主流になる可能性があります。
- 完全会員制の情報プラットフォーム:特定の分野に特化した専門家がクローズドな空間で情報を提供。
- AI対策を施した独自コンテンツの開発:AIが簡単に生成できない独自データや、人間ならではの解釈を重視したコンテンツ。
- エンタメと融合した情報提供:ただのニュースではなく、ストーリーや体験と融合させ、視聴者を惹きつける形式へ。
結論
生成AIの進化によって、情報を単に公開するだけでは収益を生み出しにくい時代が到来しています。今後は、情報を囲い込み、独自性を強調する戦略が求められるでしょう。クローズドなコミュニティ、リアルタイムの価値、ブランド力の強化がカギとなり、「情報秘匿時代」に適応できるかどうかが、成功の分かれ道となりそうです。
同時に、情報の流通方法が変化することで、収入や資産の格差が情報格差へと直結する社会が訪れる可能性が高まります。この新たな情報環境に適応し、より公平なアクセスを模索する動きも求められるでしょう。