近年、物価の高騰に伴い、食材を安価な時期にまとめ買いし、保存する家庭が増えています。
しかし、保存方法を誤ると、食中毒のリスクが高まることがあります。
特に、真空パックや密封容器に入った要冷蔵の食品を常温で保存することは、ボツリヌス菌による食中毒の危険性を高めます。
ボツリヌス菌は、酸素のない環境で増殖し、強力な毒素を生成します。
この毒素を摂取すると、吐き気、嘔吐、視力障害、嚥下困難などの神経症状が現れ、重症の場合は呼吸困難を引き起こすことがあります。 
保存方法を誤ると、ボツリヌス菌が増殖するリスクが高まります。
特に、真空パックや密封容器に入った要冷蔵の食品を常温で保存すると、菌が増殖しやすくなります。 
筆者個人の対策として、直近で使用予定の食材は冷凍保存し、数週間以上保存するものは真空冷凍にしています。
これにより、菌の増殖を抑制し、食材の安全性を高めることができます。
他の対策としては、以下の点に注意することが重要です。
• 保存方法の確認:食品のパッケージに記載されている保存方法(「要冷蔵」「10℃以下で保存」など)を確認し、適切に保存しましょう。 
• 異常の確認:缶詰や真空パック食品が膨張していたり、異臭がする場合は、食べずに廃棄してください。 
• 自家製食品の注意:自家製の密封食品も、ボツリヌス菌のリスクがあります。適切な加熱処理や冷蔵保存を行い、早めに消費しましょう。 
なお、過去5年間でボツリヌス菌による食中毒の報告は3件ととても少なく、過度に恐れる必要はありません。
しかし、適切な保存方法を守ることで、リスクを最小限に抑えることができます。
食品の保存に際しては、表示を確認し、適切な温度管理を行うことが大切です。これにより、食中毒のリスクを低減し、安全に食材を活用できます。