こんな記事を書いていた。
アップルジャパンが60歳定年制度を2016/7/1付で廃止した。 一見素晴らしい制度だが、定年がないということは一方で60歳よりも前に辞め...
それから9年、アップルは相変わらずの快進撃を続けている。
年数も経ったので定年制廃止の是非をまとめておこう。
アップルの定年制廃止の主旨
アップルは2016年、Apple Japanにおいて定年制度を廃止しました。この決定の背景には、以下のような狙いがあったと考えられます。
- 優秀な人材の確保と活用
高度なスキルや豊富な経験を持つエンジニアや専門職が、年齢を理由に退職することを防ぎ、長期的な貢献を可能にする。 - 多様な働き方の推進
年齢に関係なく能力に応じた評価と雇用を行い、柔軟な働き方を促進する。 - 労働市場の変化への対応
人口減少が進む中、定年制を廃止することで労働力の確保を図る。
アップルの定年制廃止による影響
1. 社内での影響
- ポジティブな側面
- 年齢を理由に優秀な人材を失うことがなくなり、技術や知識の蓄積が継続可能になった。
- 長年の経験を持つ従業員が若手を指導する機会が増え、組織の安定性向上に寄与した。
- ネガティブな側面
- 年齢に基づく差別(エイジズム)の問題が依然として残り、昇給や昇進の機会が限られるケースが発生した。
- 2022年、67歳のシニアマネージャーが昇給・ボーナスを受けられなかったことを理由にアップルを訴えるケースが発生し、企業内の年齢差別の問題が浮き彫りになった。
2. 他企業への影響
アップルの動きを受け、日本国内でも定年制の見直しが進んだ。
- 住友化学:定年を60歳から65歳に引き上げ、同等の給与を支給する制度を導入。
- 村田製作所:定年を64歳に延長し、60歳以上の給与体系を見直し。
- ホンダ:2025年から定年制度を廃止し、65歳以上も働ける環境を整備予定。
こうした流れは、高齢者の雇用促進を目的とした日本政府の方針とも一致している。
3. 日本社会への波及効果
- 労働力不足の解決策の一つとしての注目
日本は2040年までに約1,100万人の労働力不足が予測されている。そのため、定年制の廃止や延長が必要とされている。 - 企業の評価制度の課題
定年を廃止した企業では、年齢に関係なく公平な評価を行う必要があるが、これが適切に機能しない場合、労働者の不満が増加する可能性がある。
今後の予測
- 定年制廃止の流れは加速
- 日本国内でも、定年制の廃止や延長を検討する企業が増える可能性が高い。
- 特に技術職や専門職を中心に、高齢労働者の活用が進む
- 評価制度の見直しが求められる
- 年齢に関係なく、公平な人事評価制度を整備することが今後の課題となる。
- 特に昇進や給与体系の設計をどうするかが焦点になる。
- 政府の関与
- 日本政府はOECD(経済協力開発機構)から定年制の廃止を提言されており、政策として後押しする可能性がある。
- 企業に対する支援策や、高齢者の雇用促進のための税制優遇などが検討されるかもしれない。
まとめ
アップルの定年制廃止は、優秀な人材の確保や労働力不足の対応策として一定の効果を発揮しているものの、年齢差別や評価制度の課題も浮上している。日本国内でも同様の動きが広がりつつあり、今後は企業ごとの評価制度の整備や政府の対応が注目される。
定年制の廃止が、日本の労働環境にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要がある。