オートミールパンを作ってレシピを公開したいと考えたがパンだけは簡単に作れない。
なぜならオートミールにはグルテンが含まれていない。
だから世の中に出回っているオートミールパンはグルテンの入っている小麦粉で作るオートミール入りパンだ。
パンは熱した時のイースト菌が二酸化炭素を発生させグルテンがそれを包み込んで膨らむ原理だ。
だからオートミールにグルテン単品を混ぜれば作れる。
グルテンは158kcal/100gと低カロリーで小麦のタンパク質なのでGI値もおそらく高くない。
でも世の中にはグルテンフリーなんて言葉がもてはやされているので、できればグルテンフリーオートミールパンがいい。
そこでグルテンの代用になるものはないか探した。
一定の粘度が必要だ。
粘りのある食材で思い浮かぶのがオオバコサイリウムだがあれは餅感が強くなりグルテンの代わりにはならないようだ。
どこかにヒントがないかと探してみると日刊工業新聞にグルテンフリーの米粉パンを作ったニュースがあった。
その会社ではグルテンの代わりに増粘多糖類を使ったようだ。
聞き覚えがある。
そう、昨年コロナでアルコールジェルが品切れの時にアルコールに混ぜて自家製で作ろうとした材料だ。
当時使ったキタンサンガムとカルボマーのうちジェル作りに失敗したキタサンガムが増粘多糖類で食用にもなる。
変な知識が役に立った。
あとはグァーガムも増粘多糖類だが手持ちの化粧用のキタンサンガムを使って作ってみることにした。
目処が立てば食用のキタンサンガムを購入して作ればいい。
キタサンガムはレトルト食品のトロミに利用されており原料はブドウ糖なので添加剤でもさほど危険ではないと考えられる。
しかしお腹を下しやすいので大量摂取や毎日食べるのはやめたほうがよさそうだ。
あと単品で買うと高価なので割りに合うかは完成して材料費を計算しないといけないがおそらく普通のパンの倍以上のコストになるので売り物にはならない。
それ以前にまずは膨らむかが重要だ。
用意したのは、
- オートミール60g
- ドライイースト1g
- キタンサンガム
- 砂糖10g
- 塩0.7g
- オリーブ3g
- 30度のお湯45cc
実験なのでできるだけシンプルな材料だ。
本来はスキムミルクやら色々入れたいところだがまずは目処の確認だ。
最初はいつものようにコーヒーミルで粗いオートミールを粉にする。
それをボウルに移してドライイースト、砂糖、塩を混ぜて30度のぬるま湯と混ぜる。
とにかく手で粘土のようにこねくり回した。
ここにキタンサンガムを最初0.5g追加で1gとオリーブ油を入れて10分くらい手でこね続けた。
出来上がったものを2つに分けて玉のようにして皿にラップを被せて35度のオーブンで30分温めてイースト菌の発酵を促す。
一旦置いて更に30分温めた。
見た目ダメっぽい。
逆さはある程度膨れているようだが2倍には程遠い。
写真上が発酵前で、下が発酵後だ。
発酵で膨れていないのでダメなのはわかっているが一応焼いてみる。
ほとんどそのままのサイズだった。
少し口に含んでみると流石にイースト菌の焼けた香りがするのでパンに見える。
食感も蒸しパンの域に達していた。
味も悪くないがキタサンガムが化粧品用なので吐き出した。
しかしどれだけポジティブに見てもぎっしり詰まった焼けかけのパンもどきで失敗だ。
これをパンと呼んだら全国のパン屋さんに怒られて💢しまう。
作ってみたが目処としては全く未知だ。
まずかろうがどうなろうが発酵段階で膨れてくれればまだ先が見えた。
そこまですらたどり着いていない。
今回の反省点
- 段取りを決めていなかったのでキタサンガムを生地が出来てから混ぜた
- 小麦粉の分量で算出した水分が明らかに足りずひび割れていた
- そもそも普通のパンを焼いたことがない、パン作りの技量不足
まずは普通の小麦粉パンを作ってみよう。←そこからか!
通常のパン作りの感覚が掴めないとグルテンフリーなんて作れるわけがなかった。
そしてオートミールを小麦に変えてキタンサンガムを省いて作った。
発酵でこれだけ膨れるんだ。
膨れたのをこね直したので少し縮んだが焼いたらうまい。
ペロリだ。
こねるときのグルテン感よくわかった。
こんな粘り気をキタンサンガムで出さないといけないわけだ。
そして次が小麦粉とオートミールのハーフ・アンド・ハーフだ。
水の配合がわからずゆるくなってしまい手にくっついて半分位捨てる羽目に。
残りを発酵させて焼いてみたが2回目ほど膨らんでいない。
やはり分量的に小麦粉大半にしないとグルテンが足りないようだ。
よくあるオートミールパンのレシピでも小麦粉4に対してオートミール粉1なのは正しいようだ。
増粘剤の必要性を実感した。
ただこのあまり膨らんでいないパンの味はいい。
個人的には小麦粉100%よりおいしく感じる。
そして食用キタンサンガムを入手したので再度挑戦だ。
ポイントは先にキタンサンガムを40度弱のお湯で溶かしてからオートミール粉に混ぜてパン生地を作った。
キタンサンガムは約1gだ。
全く膨らむ気配がない。
更に濃度を上げると食感に支障がありそうだ。
食べてみるとそこそこ美味しいのだがすでにぬめりを感じるのでこれ以上増粘剤を増やすのはどうかと思う。
そして実際翌日にお腹を下した。
お腹を下したといえば3年以上前の初回タイ旅行で危機一髪だった記憶があったがそれ以降ほとんど記憶がないのでおそらくキタンサンガムが理由だろう。
ただ痛みはなく下剤を飲んだような感じだったので便通が悪い方向けの快便パンとかお通じパンて売り出すのはアリかもw
どちらにしろふっくらしたグルテンフリーオートミールパン完成の道のりは長そうだ。
目処すら見えない。
それでもいつか完成させたい🤤
なおドライイーストは開封して日持ちしないのでこの日清製ではなく小分けされている別のメーカーの方がよさそう。