相変わらず腰椎椎間板ヘルニアに泣かされていた。
腰を曲げないように注意しているので激痛というわけではないのだが弱い痛みでも続くと憂鬱になる。
薬を飲めば落ち着く。
でも20年ヘルニアと共に生活している持病の担当医が敢えて痛み止めを飲んでいないのを知り出来るだけ飲まないように心がけている。
(以前ヘルニアの先輩からコメントで教えていただいた)
そして痛みで家から出るのも億劫になり始めて気がつくとリビングでゲーム三昧の毎日になっていた。
外に出るのは数日に一度の買い出しくらい。
起きたらゲームか食事してまた寝るか。
次の日もまた次の日も。
そしてまた次の日も。
気がついたら2週間過ぎていた。
やりたいことを好きなだけする、これはこれでリタイヤ組の醍醐味でもある。
そしてある日に路線バスの旅(再)を定期録画していたところ年末特集だったのだろうか日本歌手協会歌謡祭の第一夜が代わりに録画されてしまっていた。
普段なら懐メロに興味がないのでサクッと削除するところなぜか頭だけ少し観ようと思った。
見始めると
ん???
になりどんどん進める羽目に陥る。
昭和三十年台の有名な歌謡曲が流れているはずだが聴いても聴いても知らん曲ばかり続く。
生まれる前なので直接は聴いていないが懐メロ特集などでそこそこ古い歌手だって観ているはず。
20歳くらいの子が生まれる10年くらい前のプリプリのダイアモンドとか竹内まりやのシングルアゲインとか爆風スランプのランナーくらいどこかで聴いているのと同じ感覚だ。
でも全然知らない。
極めつけは松原のぶえさんが歌う「襟裳岬」だ。
おーやっと知ってる歌が来た!
でも歌い出すと、
風はひゅるひゅる♫
えー
波はざんぶりこ♫
えー
北の町ではもう悲しみを暖炉で〜♫(森進一)
じゃないのかい!
襟裳岬なんて同名の違う曲が存在するの?
昭和の名曲は一通り聴いているはず。
全く知らない過去が展開されると徐々に怖くなってくる。
世界線がズレたか?と焦った。
その後も
その名はフジヤマ
24、000回のキッス
ボーイ・ハント
知らん曲ばかりが続く。
そしてシャボン玉ホリデーの主題歌でようやく聴いたことのある曲に。
よかった。
間違いなく知っている世界線にいるようだ。
ほっと胸を撫で下ろす。
というわけで知らない曲ばかり並んでいたので気がついたら最後まで見入ってしまった。
有名人に知らない昭和の曲を歌わせて視聴者をパニックにさせ注意を引くワイドショーでよく利用する炎上手法に続く新しい番組制作手法か?と勘繰るほどだw
これってドッキリとかに使えるんじゃない?
肝心の番組はみんな懐メロを歌う中で1人だけ最新曲を歌う相変わらずのセコさ満開の五木ひろしさんとか、紅白やレコ大から見れば格落ち番組でも腐らず真剣に歌うプロ歌手の小林幸子さん、場違いなれどどこにでも現れるガンダム姐さんこと森口博子さんも出演されていた。
そろそろ小林幸子さんの禊(みそぎ)も済んで紅白復帰があってもいいのではないだろうか?
(NHKにいったい何の禊だよww)
紅白で豪華衣装の頃は嫌いだったけどボカロ系挑戦したりポケモンに絡んだり一周回って好きになってきた。
あとは伍代夏子さんが還暦なのに相変わらずの妖艶だと感心したがその一方で彼女と同い年の風見しんごさんがまるでお爺ちゃんのようでショックだった。
その中で一番目を引いたのが山本リンダさん。
新人賞で東京力車というグループのプレゼンターとして出演されて後で自らも一曲披露された。
歌うは、
ウララウララの
狙い撃ち
#日本歌手協会歌謡祭#山本リンダ さん🎤#BSテレ東 pic.twitter.com/E2FupfU43x
— いわまん(R)iwa-man@Copyright© (@iwa_man) December 7, 2021
リンダさんって同い年くらいだったか?
いや、普通に踊っているけれど確か自分が子供の頃に踊っていたのでひと回りは上だったはず。
ググると70歳らしい。
しゅごい。
ダンスに色気がある。
現役のキレとまでは言わないが50代の自分がこんなダンスしたら息が上がって身動きが取れなくなりそう。
意地悪く年齢の隠せない首元とか二の腕をチェックしてしまうとやっぱりお歳を召されているなぁ~と感じはする。
でも最初の切れのいいターンから始まって腰の切れや華麗な横ステップと美しいおみ足にさびのシャウトと最後のキメといい感動してしまった。
思わず巻き戻して観直したw
そうだ、あれくらい動ける70歳を目指さなきゃいけない。
このまま部屋に籠っているとあっという間に足腰弱ったザ・老人になっていくぞ。
というわけでゲームをやめてとにかく出歩くようになった。
その後出歩いているおかげなのか単なるタイミングだったのか分からないが椎間板ヘルニアの痛みの症状が綺麗に消えてくれた。
腰を曲げても痺れくらいしか残らない。
20代でヒッキーなゲーマーを10年続けても若さで乗り越えられるが50代で5年続けていたらまともに歩ける足腰なのか危なかった。
現実にドラクエ10 オンライン開始の約10年前には仕事をしながら年間1500時間遊んでいられるヒッキーゲーマーの素質がある。
もし今そうなってしまったらと考えると怖い。
たまたま観た番組で山本リンダさんの狙い撃ちから元気をもらい九死に一生を得たんじゃないか、というおはなしだ。
もちろん今後も当面は腰を曲げない生活を続けるが病は気からというのは歳を取れば取るほど大切な言葉だと身に染みた。