コインP放置車両を追いかけた番組観て思ったこと(生活保護制度)

東海地方ローカル放送の夕方のニュースでコインパーキングに長期駐車で5万円とか7万円の料金になったまま放置されているクルマについて取材していた。

番組によると全国的にコインパーキングや月極駐車場の契約外の放置駐車が最近かなり増えているらしい。

オーナー視点ではスクラップのようなクルマを放置されると他のクルマが停められないので収入が減って困る。

しかし残念ながら現在の法律ではどんなスクラップ寸前のクルマでも自分の土地に駐車されて放置していてもクルマの所有者の同意がないと撤去することができない。

駐車される土地所有者側の泣き寝入りになる不思議仕様の日本の法律だ。

そういえば裁判でも判例に倣った判決が出て放置駐車された地主だったかが頭にきて裁判所の入口真前にクルマを放置して帰ったというニュースがあった。

気持ちはわかる。

コインパーキングのオーナーも放置されたままだと稼働率が大きく下がるので長期放置車両の身元を探して本人の同意を取ってレッカーや廃棄してくれる調査業者を雇う。

その調査業者を番組が追いかけた。

そんなコインパーキングGメンみたいなのがいるとは知らなかった。

1台目は埼玉の駐車場で軽のワゴンでフロントバンパーあたりがグチャグチャでリアガラスは割れていたのかテーピングで真っ黒にマスキングされている。

料金メーターは7万円を超えていた。

調査員はクルマの中を見て放置されて長いと判断した。

彼らの情報網でクルマの持ち主を洗い出す。

住所を辿って神戸まで行ってみると母親が出てきて持ち主の二十代の息子はいないという。

青森に出稼ぎに行っている。

(ケータイもないらしく)家族も連絡も取れないようだ。

その前に東京で仕事をしていて事故を起こしてクルマを放置して一旦神戸の実家に帰ってから今度は青森に稼ぎに行った。

調査員は母親に軽の処分の同意書にサインを貰って処分することになった。

母親は息子が放ってきた事故車を気にしていたようで処分して貰えることに喜んでいた。

のちに駐車場代と処分の費用はこの家族と駐車場管理会社で協議されることになった。

と報じていた。

それを観て当初は何という社会的に無責任な家族なのだろう?と思った。

廃車するのも面倒なのでコインパーキングに放置して捨ててしまえという発想があり得ない。

しかし二十代で県を跨いで都会から地方へ出稼ぎしなければいけないほど職もカネもない状態だ。

もしかすると業務中に事故に遭いまともに動かなくなったクルマなんてどうすればいいのかわからずパニックってコインパーキングに放置して実家に逃げてしまったのかもしれない。

本人に取材できなかったので詳細は分からないが社会的なモラルだの前にコロナ禍で疲弊した日本の中でまずはみんな生きること生活することが先決なのだろう。

母親が出てきた実家もかなり古びれたアパート暮らしでとても子供に援助できる様子でもなかった。

まだ踏み越えて犯罪に手を染めていないだけマシだ。

こんな状況の人が増えているのか?

2台目は3ナンバーの大きな高級ワゴン車で5万円以上の駐車料金が溜まっていた。

車両からしてさっきの貧乏で放置して逃げたのとは毛色が違いそう。

しかし調査員が窓からチェックすると車内に生活感があるようだ。

クルマの中を観察して現在もここに住んでいると判断した。

日本一周で車中泊でも?しかしかなりの期間停めてるから違うな。

そして調査員がしばらく観察していると取材の人に「中に人がいる!」ということで念のために警察を呼び、寝ているクルマの中の人を起こして出てきてもらった。

その人によるとコロナ禍で勤めていた会社をクビになり(社宅?)アパートも追い出されてクルマ暮らしをしながら別の会社に就職してクルマから通勤しているという。

しかしまだ日が浅く会社の寮に入ることもできずお金もないので泊まるところもなく唯一手持ちだったクルマに寝泊まりしているということだった。

(東京都内なので)他に停める場所もなくコインパーキングに停めている。

500万円はするであろう高級バンなので元々は羽振りのいい生活をしていたことが窺える。

それがコロナ禍であっという間に転落して車中泊暮らしになった。

調査員も仕事なので相手の心情を察しているわけにもいかず事務的に連絡先を確認して即コインパーキングから出ていってもらう。

駐車場代は後日駐車場管理会社と協議することになった。

調査員に平身低頭で謝って今もお金がなく25日の給料日までどうしようもないので駐車場から出すこともできなかったと話していたのを見ると悲しくなってきた。

食費など生活費もかかるだろうし調査員が来なければ次の給与でも駐車場から出て行ったとも思えない。

ここを追い出されてもまた別のコインパーキングを探して停めて生活していそう。

クルマを見れば蟻とキリギリスのキリギリスのような生活をしていたかもしれない。

リストラされるリスク管理ができていないと言えばそれまでだが貰った給与を使い切って日本経済を回してくれていたわけだ。

日本にとっては悪いことではない。

ただ他人(駐車場オーナー)に迷惑をかけるのはどんな理由があろうがよくない。

でも彼らは復帰の手助けしてくれそうな自治体のサービスやNPOなどに相談するとか知識も活用するための方法もわからない。

彼らの視点では生きるためにやむを得ない行動だったのかも知れない。

毎度こういう特集を観ると19年前に放送したミムラさん主演、堤さん、松雪さん、オダジョー出演の弁護士のドラマ「ビギナー」の7話“あんぱんは誰が食べた?”を思い出してしまう。

老夫婦が貧困に陥り、家もなくし身体の不自由な夫が病気の後遺症を抱える妻を自殺幇助、同意殺人、殺人したかを巡って弁護士のたまごが司法研修所で喧々諤々する話だ。

夫婦共に公園の水で膨らませても空腹で動けなくなりそうな状態で最期の有り金であんぱん1個を買って奥さんに食べさせてあげてから…というくだりに弱い。

若い頃に一杯のかけそばが流行ったがあの頃は一切感情が揺れなかったので歳を取ったせいだな。

このドラマ内でも言及していたと思うが一度潰れた生活を立て直そうと、もがく人々にこそ生活保護制度があるのではなかろうか?

この際だから精神的な身障者の方など特殊な事情を除き生活保護制度は最長2年間までに変更したらいい。

そうすれば現状の生活保護にかかっている原資で誰でも一生のうち累計24ヶ月分はコンビニでも行く気分で気軽に生活保護制度に逃げ込めて社会復帰の足がかりにできる。

たったあれだけの失業保険の給付では足りないのでその後24ヶ月はなんとでもなると考えれば精神的にも楽になる。

人生2回くらい失敗したところでリスタートできる。

知人に「なんだお前も生活保護使ってるのか、俺も去年失敗しちゃって5か月使ってその間に知人から金借りて新しい店オープンしたぞ、うちくる?」なんて会話ができる世の中がいい。

生活保護制度を本来の国民みんなのサービスに変えよう。

但し2年(がいいのか知らんが規定年数)以上国に頼るなら生活保護ではなくその人のできる範囲の労働を国が課して生活費を渡す別の制度にすべき。

資本主義社会でいくら働いても競争にすらついていけず生活費も稼げない人だって僅かながらいる。

シングルマザーで親の支援も受けられずひとりで働きながら子供を育てている母親もいるだろう。

そういう人のセーフティネットのためにただお金を一生渡して生活行動を制限するのではなく国が設定したその人に合ったレベルの作業と労働時間を課して人並みの生活がおくれるようにその対価として生活費を受け取る。

個々の能力や環境に合わせた労働のルールは刑務所の刑務作業などのノウハウ使えばいくらでもできそう。

あとはその労働力に国のブランドの付加価値でせめて支出の50%以上は回収できるように工夫したい。

その代わりに生活制限も設けなくてもいい。

自由主義論者なので社会主義の香り高き政策は如何なものかと思うが資本主義で生きていけない人々が一定数いるのは仕様がない。

理論倒れで仕事が出来ない人々がマスコミや学者や(日教組)教師や役人や政治家などに集まっていき(*)左翼→反日としてまともな国政や教育の邪魔をする方が日本にとって厄介だ。

*某数学者で元官房参与のご説

国になんか厄介になるものかと歯を食いしばって安月給で頑張っている人だってこんな制度なら納得はできなくても理解はできるだろう。

働いても生活保護より稼げないからと悪知恵を働かせて生活保護を受けている人を国の労働者にシフトさせてその費用で挫折して立ち直ろうとしている本来助けるべき人を救える。

そして国民全て公平にチャンスを与えられるべきだ。

生活保護制度の改定が日本経済再成長の鍵ではないかと考えている。

今の日本社会は一度墜ちると二度と這い上がれない(と思ってる)

社会的な失敗は許されない(と思っている)

この先、年金も無くなるんじゃないか(と思っている)

日本経済は斜陽でこの先歳を取ったら仕事も無い(と思ってる)

だからみんな守りに入る。

守りに入るから新規事業も少ない。

新規事業が増えず消費を抑えるから日経平均も失われた30年と横ばいを続ける。

日経平均が横ばいを続けるから投資よりも貯蓄の方がマシと考える。

小金があれば金利ゼロの貯蓄に回す。

10万円給付金はパァーっと使ったが統計見たらほどんどが家庭貯蓄に回ったらしい。

そんな悪循環になっている。

ケチケチ岸田政権は財務省の画策だろう引っ込めてしまった量的金融緩和政策だが現時点ではアフターコロナでGDPギャップ分は絶対やらなきゃいけない。

でも量的金融緩和政策ですらあと何年使えるかの秒読み段階だ。

もし日本国籍なら国が2年間は誰でも経済的に助けてくれる制度があれば精神的な余裕からイケイケな攻めの生き方をする人が必ず一定数増える。

20%でもそんな気持ちになって経済活動をすれば日本経済が好転して第二次高度経済成長が巻き起こるかも。

経済状態の大半は国民の気の持ち方で決まる。

逃げ道を作るのは大切だと思う。

池上彰さんの大好きなベーシックインカム制度だとあっという間に国が傾く巨額な財源が必要だけどこの制度改革ならみんな最後の切り札として取っておくから現状の生活保護プラスアルファ程度の財源でいけそうだし国民の精神的な支えとして効果てき面じゃないかな。

国会議員も生活保護制度について真剣に考えていただきたい。


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