WDブルーHDDをNASに使う場合の必須設定[訂正]

バックアップ用のHDD容量が足りなくなったのでWD8TBのブルーHDDを買おうか6TBにしようか迷っていた。

我が家の環境だとSMR記録式のHDDは相性が悪いのでCMRのWD8TBがいい。

型番はWD80EAZZだ。

今はこれ一択になる。

WD40EZAXとWD60EZAXが発表されこれらモデルもCMRとなる。2/20/22追記

しかし円安の影響もあってか昨年同時期に比べて2千円も高い。

HDDといえば毎年容量が増加してバイト単価が安くなったものだがそれも一昔前の話になってしまった。

コンピュータの世界はムーアの法則で成り立っているという言葉も死語だ。

ポイントつけて楽天のマラソンでようやく昨年と同じ価格になるので買うことに決めた。

ふとこのHDDのレビューを見ていると聞きなれない言葉が目に入る。

「IntelliPark」

なんだそれ?

調べてみるとウエスタンデジタルのHDDはロード・アンロードのタイマーが8秒に設定されており普通の使い方をしていても短い期間でアンロード回数が寿命の閾値(30万回)まで到達してしまうということらしい。

アンロードはヘッドがシークをやめて退避場所に逃すことだ。

ちょうどこの写真のようにプラッタから磁気ヘッドが外れている状態を指す。

引用 日経XTECH

この回数が増加するということはロータリーアクチュエーターの動作が増えて機械的な寿命を短くする。

もちろん到達したからといってすぐさま壊れるわけではないだろうが使い方によっては寿命がメーカーの設定したMTTFやMTTRに比べても縮んでしまう。

一方でアンロード回数を減らせば磁気ヘッドがプラッタに乗っている時間が長くなるのでヘッドクラッシュを起こす確率が上がるともいえる。

しかしこのあたりは統計情報があるわけではなく下手にアンロード・ロードを繰り返した方が余計な動きをしているので故障確率を上げやすいとも考えられる。

機械には出来るだけ余計な負荷をかけない方が長寿の秘訣だ。

そして我が家ではウェスタンデジタルのブルーのHDDがNASの中で24時間休みなく動き続けていた。

入れ替えてからまだ1年も経過していない。

なんだかいや〜な予感がするとNASからHDDを取り出してWindowsのお立ち台に放り込んだ。

NASのファイルシステムなので中身は読めないが運よくドライブを認識したためCrystalDiskInfoを起動した。

16進でEF90Cは結構大きな数字に見える。

10進に直すと981260回だった。

既に30万回を大幅に超えていた。😱

一方で立ち上げっぱなしで同じ時期に買った別のメーカーのHDDのロード・アンロードは約3000回だった。

このモデルのロード・アンロードの設定値は30万回なのでレビューの通り24時間起動であれば3ヶ月程度で規定値を超える。

前述の通り規定値を超えても即お亡くなりになる訳ではないがさすがに規定値の4倍、5倍を超えてくるといつ壊れても文句がいえない。

これはやばいとググって情報を見つけてWDIDLE3.exeというどなたかの自作プログラムでロード・アンロードのタイマーをオフにした。

お立ち台のUSB接続では効かなかったのでゲーミング PCにSATA接続して管理者モードで変更したらうまくいった。

WDとしてはNAS用に高品質なレッドHDDを用意しブルーHDDはデスクトップ用と棲み分けている。

当初はデスクトップ目的で使うなら1日7時間程度使用前提なら3年位は規定値を超えないと考えていたが実測値を1/3にしても時間にして1年持たない計算になる。

さすがにこれではレビューされた方のおっしゃる通り設計上の欠陥と指摘されても仕方がない。

購入されたらツールでタイマーオフするかタイマーを最低でも30倍以上に設定しないとよろしくない設計だ。

明らかにレッドを売りたいがためのメチャクチャな設定値だ。

今後も安いブルーHDDをNASに使用していくつもりなので更新するたびにツールでタイマーオフをしないといけないか。

ただWDブルーの6TB以下(SMRモデル)はツールでタイマーオフもできないのでNASに使うのはやめた方がよさそうだ。

ちなみにツールでタイマーをdisableにしたら普段からカチカチと音が鳴るのが無くなったので明らかにHDDの機械的な負担は減っている。

タイマーを外すと電源オンで一切アンロードをしないかといえばQNAPのNASならハードウェアのディスクスタンバイモードでHDDスピンドルオフ時間の設定ができる。

我が家では長めの30分に設定してある。

短いとNASにアクセスするたびにスピンアップの間待たされることになるのでイライラする。

気にしない方なら5-10分程度の設定がいいだろう。

5分でもデフォルトの30分の1以下に減る計算になる。

自分のNASの環境でロード・アンロード回数が8年以上持つはず。

アクセスが無くなり既定時間経つとスタンバイでスピンドルを停止するのでヘッドも退避させてくれる。

新しく買った8TBの方はバックアップ専用でバックアップ中しか電源を上げないので先ほどのツールでアンロードタイムをいじることなく使う予定だったがいずれバックアップ用のHDDもタイマーをオフにするつもりだ。

赤字で訂正を加筆していたが読みにくいと考えて書き直した。


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