知人が倒れたら困ることを想定して準備する

知人と飲み会をした。

20年近く前に仕事で関わった知人が退職して暇なので飲み会をしたいということだった。

ツテは勤めてた会社OBだ。

自分とOBとは年に数度飲んでいる。

そのOBはシニア雇用で知人の働き先に勤めていてちょっと前までお世話になっていたようで連絡を取ってきた。

OBはその知人と昨年まで仕事をしていて年に数度飲んでいるようだ。

自分とその知人とは20年前に1回だけ何かの打ち上げで飲んだ記憶がある。

その希薄な関係の3名で飲むことになった。

担当が変わって廊下などですれ違うことがあったのが十数年前なのでお互いかなり老けたと会話を交わす。

休日の真っ昼間に飲み屋で酒も進み、ほろ酔い気分になってきた頃合いにその知人がトイレに行くと出かけた

しかし帰ってこない。

トイレは複合ビルの共同使用で少し遠かった。

最初は気持ち悪くなってトイレに篭ったのかなと思ったがさすがに20分以上帰ってこないのはおかしい。

OBは典型的なB型気質で他人のことは気にしないので仕方がないので自分が探しに出かける。

しかしトイレに見当たらない。

混んでいて別の階のトイレに行ったのかと探してみるがやはり見当たらない。

もちろん電話番号もLINEもつながっていないので戻ってOBからLINE電話をかけてもらう。

何度かかけるが出ない。

これは何かあったんだろうと捜索範囲を広げて探す。

でも見当たらない。

まさかどこかに倒れているんじゃないかとLINE電話をかけつつ着信が聴こえないかビル内をしらみつぶしに探す。

やはりどこにも居ない。

神隠しにあったように忽然とビルから消えている。

狐に摘まれた気分だ。

でも突如帰ってしまうとか無断で買い物に出かけるような変な人ではなかったはずだ。

OBと対策を会話していると隣で食事をしていた女性2人がこちらの焦った会話が聞こえたようでそのビル内で起こっていたことを教えてくれる。

彼女たち曰く、我々と同年代の人が口を切ったか血を流してビルの廊下で意識不明で倒れていたらしい。

誰かが119をしてたらしく救急隊員が運んでいった。

しかしサイレンの音など聴こえなかったし騒然としたような音も聴こえてこなかったので気がつかない。

大きなビルなので反対側の道に救急車が付けたらおそらく何も聞こえない。

若い子に搬送された時刻を確認すると最初に自分が探しにいった時には既に搬送された後だったようだ。

教えてくれて助かった。

機転が効く若者だ。

それを聞かなきゃ途方に暮れてた。

ついさっきまで元気に会話していた人が突如倒れて運ばれることなど想像できない。

若い子にお礼を言って会計し急いで倒れていた付近に行き周りに聞き込みをする。

店の従業員が119に連絡してくれたようだ。

その人に詳しい話を聞くようにOBに指示して自分は119へ電話する。

運ばれた場所と氏名を言ってどこの病院に運ばれたのかを尋ねる。

しかし救命は教えてくれない。

個人情報保護の観点から無理だということだ。

予想はしていた。

攻守所を変えてというか昔自分が運ばれた時に妹が119が何も教えてくれないことにキレながら周りの病院に片っ端から電話して駆けつけてくれたことを思い出した。

救急の受付に結構粘ってみたが無理だった。

救命としては我々が病院に駆けつけられなくても搬送された人の生死に影響はないし詐欺師のような奴らが電話をかけてきて搬送された人の情報を開示することの方が危険だと考えているんだろう。

親族なら救急車で搬送されたことを知り命の危険がありそうなら110経由で確認すれば教えてくれる場合もあるとビルの防災センターの人が言っていたが何せ関係の希薄な2人だ。

大昔に名刺は貰っていると思うがフルネームすら覚えていない。

奥さんはおらず自宅には被介護者しかいないことをOBから聞いているがそれ以外の家族への連絡先などわからない。

だから家族や親族経由で病院を特定してもらうことも無理。

被介護者しかいないので我々が行かないと対応できる人がいないと訴えてもダメだった。

仕方がないので搬送された場所からグーグルマップで救命をやっていそうな病院にしらみつぶしに電話をかける。

その間OBにも指示してその人が勤めていた会社の人に連絡をさせて身動きが取れる親兄弟と連絡が取れないか聞いてもらう。

救命病院電話は困難を極めた。

運悪く休日では病院の代表電話は自動応答でつながらない。

そして各病院の救命センターの電話番号はあまり公開されていない。

それでも救命センターの連絡先がわかる病院だけ電話をしてみるが個人情報保護の壁が立ちはだかりやっぱり知人では簡単に教えてくれない。

そこでもう少しアバウトに倒れた付近から搬送されてその病院に運ばれた人がいないかを聞く。

自分達が行かないと病院側が困るかもとアピールするとこの周辺から運ばれたか運ばれていないかあっさり教えてくれる。

病院は病院で本人に確認が取れないと治療費払えるか保険に加入しているかわからない人の治療をするのはリスクがあるだろう。

ネットに情報があった病院にはかけられるだけかけてみたがどこの病院にも運ばれていなかった。

こちらが諦め気味になった頃OBにて彼が勤めていた会社社員と連絡が取れてその上司に相談してくれたが個人情報保護の観点で退職者の情報は抹消されているため会社へリモート接続しても入手できる情報では何もわからないようだ。

勤めていたのが大手企業なのでそのあたりは徹底している。

会社の厚生年金とかを担当する部門ならもしかするとわかるかもしれないが休みなのでどうしようもない。

しばらく待っていたら手持ちのPCに古い緊急連絡網が残っていたようで自宅電話番号を教えてもらい電話をかける。

出ない。

OBのいうように被介護者しか同居していないようだったので電話口には出られないのだろう。

仕方がないので足で病院を回ることにした。

まずはこの付近最大の病院だ。

短期間通ったことがあり救命があることも知っているし比較的ここから近い。

素人考えで運ばれるならあの病院だ。

電車で現地にいくと受付の人が意外にあっさり答えてくれる。

やはり電話に比べて病院窓口に顔を出すのは信用があるようだ。

しかしそれらしい人は運ばれていなかった。

電車移動しながらこの近所で大きめな病院を3軒回った。

救命連絡を兼務している担当者にこの周辺は救命の看板を掲げてないけど救急車を受け入れている病院が多いのでしらみつぶしに足で探すのは無理だろうと言われた。

自分が倒れた場所から搬送される病院なんて3-4軒しかない僻地だったのでしらみつぶしに電話すれば連絡が取れた。

今回倒れたのは繁華街で救命搬送される病院も多く休日で代表電話につながらない。

色々と運が悪い。

そこで万策尽きた。

ここまでの対応と無事を祈っている旨をOBから搬送された知人にLINEで送ってもらい解散した。

本人が目を覚ましたら薄情だと思われるがこれが現実だ。

翌日も何の連絡もなかったので倒れた所轄の警察署と住んでいる所轄の警察署にツレと別々に相談してみる。

OBは倒れた本人と連絡を取りたい線で頼んでみたが無理だった。

自分は彼の親が被介護者で下手すると食事が取れずに亡くなってしまうかもと脅しを加えて警察に相談したがこちらも無理だった。

もちろん個人情報なので悪用を考えると警察の対応もわからなくもないし最近はキッシー政権&左翼政党の日本人より外国人優先政策で治安も悪化する一方なので仕方がないのかもしれん。

それから数日はあれこれ動いてみたが結局分からずじまい。

かなり日数が経ち未だにLINEでつながっているOBになんの連絡もないので悪い想像しかできないので夢見が悪い。

このように気がつかないところで救命に運ばれていって連絡が全く取れないのはレアケースだろうが年寄りになればなるほど目の前で知り合いが突然ばったり倒れることはあるだろう。

目の前で倒れて救急車に同乗しようが本人が目を覚さない限り家族や親族に連絡が取れないのは同じだ。

手術の同意や亡くなった時には免許証などから病院から警察や役所経由で家族・親族に連絡を取るのだろうがそれ以外は個人情報保護の壁に阻まれそう。

そんな時に右往左往しなくていいよう飲み会や旅行の年寄り仲間は緊急連絡先を交換しておくべきだと気がついた。

ただ個人情報保護の観点で連絡先を交換せず財布の中に緊急連絡先の紙を入れておいて、もしもの時にはそれを引っ張り出して連絡を取り合おうとか取り決めをした方が今の時代に合っているかも。

アーミーっぽく首から連絡先のタグがついたネックレスをつけて、緊急連絡タグをつけていることを知人に周知させるのもあり。

首から下げても誰もその存在を知らなければ病院で服を脱がせた時にしかわからない。

スマホを探しまくればそれらしい緊急連絡先が見つかるとはいえパスワードがわからないと開けないし倒れている人の指とスマホを引っ張り出して勝手に指紋認証や顔認証して操作するのはさすがに躊躇する。

今どきは他人のスマホを開けば電子マネーを操作してカネを盗むのも容易なので変な疑いをかけられたくない。

他人の財布を取り出すのもどうかと思うが一瞬で緊急連絡カードは取り出せるのでスマホを開くよりはマシな気がする。


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