映画ロストケアを観て(限界介護)

アマプラで映画ロストケアを観た。

『ロストケア』は、2023年に公開された日本の映画で、原作は葉真中顕による同名の小説です。映画は介護問題をテーマに、介護疲れによる犯罪や、それを取り巻く社会の闇を描いています。監督は前田哲が務め、主演は松山ケンイチと長澤まさみです。

あらすじ
物語の舞台は、ある地方都市の介護施設です。主人公の斯波宗典は介護職員として働いており、日々の仕事の中で高齢者のケアに全力を注いでいます。しかし、ある日、施設内で連続する不審死事件が発生します。これらの死は「事故」として処理されますが、真相を追う検事の秀美(長澤まさみ)が捜査を開始します。

捜査が進む中、斯波がこれらの死に関与していることが明らかになります。彼は自らの行為を「ロストケア」と呼び、苦しむ高齢者を解放するためだと主張します。斯波の動機や背景を掘り下げる中で、彼が抱えていた深い絶望と、介護の現場で直面する過酷な現実が浮き彫りにされます。

#主要キャスト
– 松山ケンイチ:斯波 (介護職員)
– 長澤まさみ:秀美 (検事)

今年完走できた数少ない映画のひとつだ。

介護される側だけでなく介護する側をも巻き込み家族の生活を破壊していく限界介護がテーマになっており、

主役「この社会には穴がある。一度落ちてしまったら抜け出せない。」

検事「どれだけ事情を重ねてもあなたは身勝手な犯罪者であることには変わりません」

主役「検事さん、あなたがそう言えるのは自分は絶対に穴に落ちない安全地帯にいるからですよ」

の会話が印象的だった。

自分自身は単に運よくここまで穴に落ちなかったので犯人目線でなく検事目線になる。

既視感があり正に後半の検事と同じ陰鬱とした感情を昔抱いたことがある。

もし働いている時に親の介護が必要になっていれば仕事を辞めて介護疲れで共倒れだけはしたくないので月に40や50万円だろうが高い介護サービス料を払って他人に任せてしまおうと考えていた。

そこそこ稼いでいたのでそういう選択肢を選ぶことができた。

でもそうはならなかった。

実際にそうなっていたら現実は今のように早期リタイアなどできず60歳まで介護の費用を捻出するために働き癌検査すら受ける余裕はなく大腸癌がそのまま進行するなり転移してベッドの上か呪詛を唱えつつ親より先に天に召されていたことだろう。

その点だけ考えれば不謹慎だが子供孝行な両親だった。

人は色々な事象が重なり穴に落ちるか落ちないかは紙一重だ。

親類縁者や知人のはなしからも限界介護は切実だった。

寿命が延びるほど寝たきりや痴呆が増えて家族介護が増加して不幸な人が増えていく。

これが現実だ。

国に頼ったところで介護は他の投資に比べてもベネフィットがあまりに小さすぎる。

延命措置みたいなもので消費や生産を生み出すわけではないのでそれならば国の経済活性化のためには現役世代や若い人に投資した方がいいってことになる。

といってもいつか自分もその介護にお世話になるかもしれないので否定はできない。

結局のところ国家はできるだけ効率的な投資をして富んだ財政でセーフティネットを広げるしかない。

周りの社会主義国家が失敗に終わった今の資本主義・自由主義社会ではこれが真理だ。

経済を潤すどころか成長の邪魔をする政府や財務省やサヨクには文句を言いたい。

それにしても相変わらず松山ケンイチと長澤まさみの演技がうますぎる。

そしてラスト付近の羽村洋子役の坂井真紀の言葉がこの原作者のこのテーマに対する回答のひとつだろう。

犯人の国や社会に対する恨みつらみはその立場になれば同じように考えていたかもしれない。

しかし限界介護だけではなくいつの時代もどこの国でもひとは「穴に落っこちたらなかなか這い上がれない」事象が繰り返されている。

新しい社会システムでも発明されない限り変わらない。

あと日本が他国より介護事情が悲惨だと思われるかもしれないが日米のお年寄りの介護事情を調べてみれば高齢者社会なのに日本の方が遥かに手厚い。

アメリカで低所得者の介護などまともに取り合ってくれやしない。

今後高齢化が加速する中国なんてもっと悲惨だろう。

それに比べりゃ日本はまだマシでそれが国家財政の重しになってしまっている。

だから他人のせいにしたり他力本願ではなくいつの時代もどこの国民も穴に落ちないように必死に避けながら自助や家族の共助を中心にして生きていくしかないのだ。

そのためにも日本の伝統芸である家族の絆を断ち切ろうとするサヨク活動は看過できない。

これから介護が待ち受けている人はぜひこの映画を観ていただきどういう状況になり得るかをイメージしてリスクマネージを考えてみるのもいい。

参考)日米の介護の違い

おーら
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アメリカと日本のお年寄りの介護の違いを教えて

アメリカと日本の高齢者介護には、文化や社会制度の違いからくるいくつかの大きな違いがあります。

### 1. **介護の提供者**
– **日本**: 伝統的に、家族、特に女性が高齢者の介護を担うことが多いですが、核家族化や共働き家庭の増加により、施設介護や在宅介護サービスの需要が増えています。介護保険制度が整備され、介護サービスを利用しやすくなっています。
– **アメリカ**: 家族による介護も一般的ですが、日本に比べて、介護施設への入所やプロフェッショナルによる在宅介護サービスの利用が一般的です。特に、政府が提供するメディケアやメディケイドといった公的医療保険プログラムを通じて、低所得者や高齢者がサービスを受けることが多いです。

### 2. **介護保険制度**
– **日本**: 2000年に介護保険制度が導入され、40歳以上の全住民が保険料を支払い、必要に応じて介護サービスを受けられるようになっています。サービスの内容は広範囲にわたるため、地域密着型の介護が促進されています。
– **アメリカ**: 公的な介護保険制度は存在せず、主にメディケイドやメディケアが一部の介護費用をカバーしています。ただし、メディケアは長期の施設介護をカバーせず、メディケイドは非常に限られた条件でしか利用できません。そのため、多くの人が私的な長期ケア保険を購入するか、自己資金で介護を行うことになります。

### 3. **介護施設**
– **日本**: 特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、公共・民間の介護施設が多くあります。また、地域包括ケアシステムが整備されており、在宅介護を支える仕組みが充実しています。
– **アメリカ**: 介護施設は多種多様で、ナーシングホーム(特別養護老人ホームに相当)、アシステッドリビング(介護付き住宅)、記憶障害者向けの専用施設などがあります。高齢者の介護は一般に費用が高く、これが大きな負担となることがあります。

### 4. **文化的背景**
– **日本**: 高齢者を敬う文化が根強く、家族が介護を担うことが社会的に期待されてきました。しかし、少子高齢化や都市化により、家族だけでの介護が難しくなっています。
– **アメリカ**: 個人主義が強く、高齢者の自立を重視する傾向があります。高齢者自身が施設やサービスを選ぶことが多く、自己決定権が尊重されます。

### 5. **介護者の負担**
– **日本**: 介護者(家族)が精神的・身体的に負担を感じやすく、介護離職や介護鬱などが社会問題化しています。政府はこれに対して介護休業制度の充実や介護者支援策を進めています。
– **アメリカ**: 介護者もストレスを感じることが多いですが、日本と比較すると、プロの介護サービスを利用する割合が高いため、直接的な負担はやや軽減されることがあります。

全体として、アメリカはより「施設介護」や「プロフェッショナル介護」に依存しているのに対し、日本は「家族介護」から「公的支援を伴う地域介護」へのシフトが進んでいると言えます。

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日米の低所得者層の介護事情を教え

日米の低所得者層における介護事情には、両国の社会保障制度や福祉政策の違いが大きく影響しています。

### 1. **日本の低所得者層の介護事情**
– **介護保険制度**: 日本では、2000年に導入された介護保険制度により、所得に関係なく介護サービスが受けられる仕組みが整っています。40歳以上の住民が介護保険料を支払い、介護が必要な場合には、原則として利用者がサービス費用の一部(通常10〜30%)を自己負担し、残りは保険でカバーされます。低所得者層には、自己負担分が軽減される制度や、一定の収入以下であれば負担が免除されるケースもあります。

– **公的支援**: 低所得者層に対しては、自治体からの生活保護や介護扶助などの支援が提供されることがあります。これにより、施設入所費用や在宅介護サービスの費用が支援され、経済的負担が軽減されます。

– **地域包括ケアシステム**: 日本では地域包括ケアシステムが整備されており、地域に密着したサービスが提供されることで、低所得者層でも必要な介護サービスを受けやすい環境が作られています。訪問介護やデイサービスなどの在宅支援が強化されているため、施設に入所することなく、自宅での生活を続けながら介護を受けることが可能です。

### 2. **アメリカの低所得者層の介護事情**
– **メディケイド (Medicaid)**: アメリカでは、低所得者層向けにメディケイドという公的医療保険制度があり、これが介護サービスの重要な資金源となっています。メディケイドは、連邦政府と州政府の共同出資で運営され、資格を満たした低所得者や障害者が長期介護サービスを含む幅広い医療サービスを受けることができます。メディケイドは施設介護や在宅介護の費用をカバーしますが、各州によってカバー範囲やサービスの質が異なります。

– **メディケア (Medicare)**: メディケアは65歳以上の高齢者や特定の障害者を対象にした医療保険制度で、低所得者でも利用可能ですが、長期の介護施設でのケア(ナーシングホームなど)にはあまり適していません。メディケアは短期的なリハビリテーションケアをカバーしますが、長期的な介護はカバーされないため、低所得者層にとってはメディケイドがより重要な役割を果たします。

– **家族の役割と民間の介護施設**: アメリカでは、低所得者層にとってメディケイド以外の支援が少ないため、家族による介護が重要な役割を果たしています。しかし、家族が介護を担うことが難しい場合、質の低い民間の介護施設に頼らざるを得ないこともあります。これらの施設はしばしば資金不足や人手不足に直面しており、サービスの質が低下することがあります。

### 3. **共通の課題**
– **介護者の負担**: 両国とも、低所得者層における家族介護者の負担が大きな問題となっています。経済的に余裕がないため、プロの介護サービスに頼ることが難しく、家族が自宅で高齢者のケアを行うことが多いです。このような状況では、介護者自身の健康や経済的な安定が脅かされることがあります。

– **サービスの質とアクセスの格差**: 日本では介護保険制度がある程度の公平性を提供していますが、それでも地域や経済状況によってサービスの質やアクセスに格差があります。アメリカでは、州ごとのメディケイドプログラムの違いや、民間の介護施設の質のばらつきが問題となっています。

全体的に、日本は公的支援が手厚く、低所得者層でも介護サービスにアクセスしやすい環境が整っているのに対し、アメリカではメディケイドを中心とした支援が提供されるものの、地域によって格差が大きく、特に民間の施設に頼る場合は質の問題が顕著です。

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日米のお年寄りの介護としてどの程度がまともな介護を受けられないか統計などの数字から比較してください

日米の高齢者がどの程度「まともな」介護を受けられていないかを示す統計やデータを直接比較するのは難しいですが、いくつかの関連データや研究からその違いを推測することができます。以下に、日米の介護状況に関するデータや研究結果をもとに考察します。

### 1. **日本の介護状況**
– **介護を受けられていない高齢者**: 厚生労働省のデータによると、日本では介護保険制度のもと、要介護認定を受けた高齢者の多くが何らかの介護サービスを利用しています。しかし、2020年のデータでは、介護を必要としているとみられる高齢者のうち、サービスを利用していない人が約7.8%いるとされています。これは、必要なサービスが提供されていないか、利用を希望していないケースです。

– **介護施設の入所待機問題**: 特別養護老人ホーム(特養)などの介護施設では、入所希望者が多く、待機者数は常に数十万人規模です。2020年時点で、全国で約37.6万人が入所待機者としてリストに上がっており、これが「まともな」介護を受けられない一因となっています。

### 2. **アメリカの介護状況**
– **介護を受けられていない高齢者**: アメリカでは、介護が必要な高齢者の中で、約10%が必要な介護サービスを受けられていないとされています。特に、低所得者層や少数民族の高齢者においては、サービスのアクセスに困難を感じている人が多く、サービスの不足が問題となっています。

– **介護施設の不足と質の問題**: アメリカでは、メディケイドを利用する高齢者向けの施設が不足しており、特に低所得者層においては適切な施設に入所できないケースが多いです。また、ナーシングホームなどの施設の質についても問題が指摘されており、2019年の調査では、全米のナーシングホームの約15%が深刻な質の問題を抱えていると報告されています。

### 3. **比較と考察**
– **施設待機者とサービス利用の困難さ**: 日本では、介護保険制度により基本的な介護サービスへのアクセスは確保されていますが、特養のような人気の高い施設への入所待機が長期化している問題があります。一方、アメリカでは、介護の質やアクセスにおいて地域や経済的背景による格差が顕著で、特に低所得者層では「まともな」介護を受けられていない割合が高いと推測されます。

– **介護の質の格差**: アメリカでは特に、介護施設の質に大きなばらつきがあり、これがまともな介護を受けられない主要因となっています。日本でも施設ごとに質の違いはありますが、介護保険制度により一定の基準が保たれているため、極端な質のばらつきは少ないとされています。

### 結論
統計的な数値だけで日米の状況を直接比較することは難しいものの、アメリカでは特に低所得者層や地域によっては、適切な介護を受けられない高齢者が日本よりも多いと推測されます。日本では、制度のカバー率は高いものの、施設の待機やサービス利用のための経済的負担が課題です。

むかしからマスコミは日本国家に都合の悪い話は海外と比較してこれだけアメリカの方ガー、ドイツの方ガーと騒ぐくせに日本の方がまだマシなシステムについては一切無視w

例えば日本の方がマシな仕組みこそNHKなどは諸外国と比較してアピールした上で改善点を挙げていくべきだが尖閣が中国のものとか言っている放送局なんて最早潰れた方がいい。


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