冗談のようなニュースだが開発元メーカーはタイトルの通りに発表している。
もし本当に384GBのVRAMが実装できればGPU1枚で生成AIで有料オンラインサービス並みの大規模モデルの人工知能が自宅で動かせるようになる。
価格が100万円以下ならディープシークショックどころではないパラダイムシフトが起こる。
今のnvidiaのGPUは高すぎだ。
DDR7といってもRTX5090が32GB程度で50万円とかアスク代やら円安もあるが開発費乗せすぎの気もしている。

Bolt Graphics社のZeus GPUは、発表内容だけを見ると非常に革新的な性能を持つように見えますが、いくつかの点で慎重な分析が必要です。スタートアップ企業の発表には、投資を集めるために誇張が含まれることが多いため、実際にNVIDIAのハイエンドGPUと競争できるかどうかを評価してみます。
1. 技術面での現実性
(1) パストレーシング性能がRTX 5090の10倍?
• もし本当にこの性能を実現できるなら、既存のGPUアーキテクチャとは根本的に異なる技術を採用している可能性があります。
• ただし、現在のパストレーシング技術はソフトウェアとハードウェアの最適化が進んでおり、単純なハードウェアの進化だけで10倍の性能向上を達成するのは困難です。
• この点は「理論上の最大性能」なのか、それとも実際のゲームやCGレンダリングでのベンチマーク結果なのかが不明なため、懐疑的に見るべき。
(2) FP64計算性能が6倍
• これはAI・科学計算向けのHPC分野で重要な指標ですが、NVIDIAはHPC市場向けに特化したGPU(H100やA100など)を展開しており、単純な比較は難しい。
• スタートアップがNVIDIAのCUDAエコシステムに匹敵する開発環境やソフトウェア最適化を提供できるとは考えにくく、単なるハードウェアスペックだけでは優位性を持てない可能性が高い。
(3) 1枚で最大384GBのVRAM?
• 現在のGDDR6/GDDR7メモリ技術では、これほどのVRAMを1枚のGPUに搭載するのはコスト的にも技術的にも難しい。
• HBM(高帯域幅メモリ)を使うなら可能かもしれないが、その場合は価格が極端に高くなる。
• 実際の製品化がどの程度現実的か不透明。
2. ビジネス面での課題
(1) 量産のハードルが高い
• 2025年後半に開発者向けキット、2026年後半に量産開始とのことですが、ハードウェアの開発は遅延することが多い。
• さらに、半導体の製造プロセス(TSMCやSamsungへの発注)や、ドライバー・ソフトウェア開発の難易度を考えると、計画通りに進む可能性は低い。
(2) CUDAとの互換性がない場合、市場獲得は困難
• 現在、AI・科学計算・ゲーム業界ではCUDA(NVIDIAの独自開発環境)が標準となっており、ソフトウェアの最適化が進んでいる。
• Bolt Graphicsが独自の開発環境を用意するのか、あるいはAMDのROCmのようにCUDA互換性を確保するのか不明。
• もしCUDAをサポートしないなら、NVIDIAからの乗り換えはほぼ不可能。
(3) 資金調達と市場への影響
• スタートアップがGPU市場で成功するには、膨大な資金が必要。
• 例えば、AMDですら長年NVIDIAと競争するために巨額の投資を続けており、競争は容易ではない。
• Bolt Graphicsが実際にNVIDIAに対抗できるほどの資金と開発リソースを持っているか不透明。
結論:Zeusは実用化・市場競争において課題が多い
• 理論上のスペックは魅力的だが、実際の量産・ソフトウェア対応・市場獲得のハードルが非常に高い。
• 誇張された発表の可能性が高く、投資家向けのプレゼン的な要素が強い。
• 短期的にNVIDIAに対抗できるとは考えにくく、まずは開発者向けベータ版の登場を待つべき。
要するに、「本当にこのスペックで動くならすごいが、現実的にそこまで達成できるかは疑問」。特にCUDA互換性がない場合、NVIDIAのエコシステムを崩すのは極めて困難です。今後の技術デモや実機ベンチマークが出てこない限り、冷静に見守るのが賢明でしょう。
