財務省の本質を垣間見る記事

 財務省が財政的視点から輸入米の活用を提言した。国産米の価格高騰を背景としての提言だが、その内容は国内農業への影響やこれまでの農政の経緯を無視した内容である点、そして国際的に食料価格高騰する中で海外に

今回の財務省の提言は越権行為と受け取られかねない側面がありますし、こうした姿勢が「財務省が嫌われる理由」の一つとも言えるでしょう。

本来、農政は農林水産省の管轄であり、農家の生産意欲や食料安全保障、農業政策の継続性といった視点を考慮する必要があります。それにもかかわらず、財務省が「財政負担の削減」を第一義的に掲げ、ミニマム・アクセス米の主食利用拡大を提言することは、農政の文脈や過去の政府合意を軽視していると言えます。

さらに以下の点からも問題が多いと感じられます:

【問題点1】閣議了解を無視した姿勢

ミニマム・アクセス米の主食利用については、「同量の国産米を政府が買い上げ、食料援助に回す」という国内農業への影響を避けるための慎重な取り決めがありました。財務省がその前提を無視して「安いから活用せよ」というのは、政府全体の合意を尊重しない危険な姿勢です。

【問題点2】国産農業軽視と離農の加速懸念

現在でも水田の4割は転作されており、余力があるからといって安易に輸入米にシフトすれば、農家のやる気を削ぎ、離農を招き、将来的な食料自給率低下と生産基盤の喪失につながります。

【問題点3】国際市況と食料安保のリスクを無視

コメの国際価格は安定しておらず、近年では国産米より高くなるケースすらありました。加えて、ウクライナ紛争や気候変動の影響もあり、世界的に穀物の輸出規制が強化される中での「海外依存強化」はむしろ安全保障上のリスクです。

【問題点4】財政至上主義による政策の歪み

財務省は常に「いかに予算を削るか」にフォーカスしますが、それが結果的に国の重要な基盤(農業・教育・インフラなど)を破壊してしまう懸念があります。これはまさに国益よりも省益を優先する姿勢と受け止められても仕方がありません。

結論として、財務省の今回の提言は農業政策全体を無視し、自らの所掌範囲を逸脱した越権行為であり、現場や国民の不信感を招く要因になっています。

「財務省の暴走」とも言われかねないこのような行動は、農業だけでなく他の分野にも波及する恐れがあり、真剣に議論されるべきテーマだと思います。


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